数学者・志村五郎⑤~モツァルト~モツアルト
志村先生は、音楽家Mozart をカナ表記する場合は“モツァルト”であり、“モーツァルト”とは書かないと仰る。まさに、我が意を得たり、と思った。半世紀以上も前に英語の教科書に登場したこの楽聖の名を、英和辞書の発音記号から“モザート”と覚えたからだ。...
View Articleピアニスト 江尻南美~ドイツ定着~CD シューベルト・ピアノ作品集
以前当欄で取り上げたが(2009/8/2(日) 2008/7/14(月))、その後暫く演奏を聴く機会の無かったピアニスト江尻南美に関して、最近2件の記事に接した。...
View Articleランチタイムコンサート~鳥海 仁子~加藤 史幸
今週の火曜日に聴いた副都心のランチタイムコンサートを記録して置こう。第370回 にほんご de くらしっく♪ソプラノ鳥海仁子/バリトン加藤史幸/ピアノ石塚幸子 Aプログラム12:05~モーツァルト《魔笛》から1 おいらは鳥刺し [加藤]2 パパパの二重唱 [二重唱]レハール《メリーウィドウ》から3 おぉ我が祖国 [加藤]4 ヴィリアの歌 [鳥海]5 唇は語らずとも [二重唱]...
View Article数学者・志村五郎⑥~可・不可~STEAL 盗む
志村先生は、ヨーロッパ語だけでなく、中国語(古典語)の用法にも論及する。 例えば、現代日本語でも使われる“由らしむべし、知らしむべからず”の出典である論語:泰伯第八の原文(読み下し)“子曰く、民はこれに由らしむ可し、これを知らしむ可からず”の誤読を憂う。ここの“可”は、可能、不可能の可であって、強制や禁止の可ではないとのことである。...
View Article訪問コンサート~ソロ代役~ミスプリ
今日はボランティア・グループの老健施設訪問コンサートだった。ヴォーカル、管弦、ピアノ、指揮(兼ソプラノ・ソロ)の総勢20名超の大部隊で、お客さんは30~40名だった。 出演者を少し絞る必要があると前々から説いているのだが、実現しない。毎回全員が参加するのを当然とする思い込みを打破しなければならない。 1.手のひらを太陽に 2.落葉の歌 3.冬の星座 4.もずが枯れ木で 5.星に願いを(管弦合奏)...
View Articleクルーグマンミクロ経済学~オールドマンリバー~コンクリート海岸
何かに載っていた書評に誘導されて「クルーグマンミクロ経済学」(東洋経済新報社 2007.10)を図書館から借りていたが、読む暇が無かった。返却期限が迫ったので、六百余ページの厚冊をパラパラ捲ったところ、《第IX部ミクロ経済学と公共政策・第20章公共財と共有資源》に“経済学を使ってみよう オールドマンリバー”という事例紹介があった(p.583)。...
View Articleソワレコンサート~マリンビスト名倉 誠人~癒し
アトリウムコンサートを聴いてきた。ランチタイムではなく、夕方18:30~ の時間帯だから、ソワレと言うのかな。すると、ランチタイムコンサートは、マチネか。 マリンバ:音楽の十字路で ニューヨークを中心に活躍するマリンビスト名倉誠人の世界。 1 「五つの前奏曲」から 第一番ホ短調、第二番ホ長調 :H.ヴィラーロボス(1887-1959) ブラジルの作曲家がギター用に作曲した。2 森の影...
View Article三択鞍替え二択問題②~モンティ・ホール問題~納得
最近ある雑誌の目次に「モンティ・ホール問題」とあるのに目が止まり、本文を読んだところ、以前当ブログでも取り上げたクイズであった(偶然とは何か~数理哲学~三択鞍替え二択問題 2012/3/24(土))。クイズ要約を再掲する: “箱が三つ置いてあり、うち1個には景品が入っている。回答者はまずどれか1個を選ぶ。景品が入っていれば貰える。...
View Articleトケミハソダチト~井澤式階名唱法~明治唱歌教育
今年最初の買物で紹介した《名作唱歌選集 故田村虎蔵先生記念會編修 音楽之友社 昭和25年9月15日発行》(2015/1/3(土))に端を発し、《丸山忠璋/著 田村虎蔵の生涯 音楽之友社 1998.7》を経て、《鎌谷静男/著 琥珀のフーガ 永井幸次論考、音楽之友社 1998.3.31》に至った。...
View Article超高速カメラ②~アト秒~内殻電子
旧臘、シャッター速度フェムト秒(10-15秒)の超高速撮影技術に驚いた(超高速カメラ~フェムト秒~光速の1/6 2014/12/6(土))ところだが、今日の朝日新聞朝刊にアト秒撮影技術が伝えられた。具体的には100京分の1秒だそうだから、10-18秒であり、一気に千倍の高速化である。 “電子の動き、閃光で観測 NTTと東京理科大 2015年1月29日05時00分...
View ArticleISIL人質事件~英訳で誘発~誤訳?
日経新聞に次のような記事が有り、興味をそそられた: 人質事件、首相演説の「英訳で誘発」 元気にする会・松田氏 2015/1/28 20:04 ~松田公太代表は28日の参院代表質問で、中東の過激派「イスラム国」の周辺国への2億ドルの人道支援を表明した安倍晋三首相のスピーチについて、英訳~が日本人人質事件を誘発した可能性を問題視した。首相は反論した。...
View Articleクーデンホーフ伯爵~オペラ歌手~上田敏
「琥珀のフーガ 永井幸次論考」(既出 2015/1/28(水))に、本邦初のオペラ上演のことが簡略に紹介されている(p.101)。 時は1894(明治27)年11月24日、会場は東京音楽学校奏楽堂、日本赤十字社後援の慈善音楽会最終の演目は、グノー《ファウスト》第1幕、書斎の場だった。...
View Article明治の音楽会~島崎藤村~ヴァイオリン
「琥珀のフーガ 永井幸次論考」にもう一つ、興味を惹く明治時代の楽界のひとこまが紹介されている。時は1898(明治31)年4月23日、東京音楽学校同声会春季音楽演奏会を島崎藤村が聴いており、「土曜日の音楽」と題して読売新聞(明治31年5月2日)に書いたと言う。 その第四部(唱歌)の項に、合唱出演者の氏名がパート毎に列記されていて、我々にも馴染みの歴史上の人物が登場する。 高音部(ソプラノ)...
View Article市大樹著「飛鳥の木簡」~しとぎ【粢】~4月13日
先月ちびりちびり読んだ市大樹著「飛鳥の木簡 古代史の新たな解明」(中公新書 2012.6)は、期待したほど刺激的ではなかった。木を薄く削いだ断片たる木簡から古代の歴史を読み取ると聞くと、自然科学における画期的な法則の発見譚に似た興奮を覚えるのだが、本書では、重要な論争点について結論留保という慎重な姿勢の為もあり、肩透かしを食ったような読後感がある。...
View Article大宝元年(AD701)~元号恒常化~歴史転換
「飛鳥の木簡」から教わった歴史の知識がもう一つある。西紀(AD)701年は大宝元年なのだそうで、“これ以後、元号の使用が恒常化した”という。つまり、それより前は、元号が必ずしも制定されなかったらしい。こんなことは学校で教わった可能性もあるが、記憶には無かった。...
View Article数学者・志村五郎⑦~記憶の切繪図~染井の能舞台
志村先生の筆調に魅せられて「記憶の切繪図 七十五年の回想」(筑摩書房 2008.6)も読むことにした。こちらは言わば自叙伝である。数学的な記述は無い。他人にはどうでもよい父祖などの話もあるが、全体に得るところのある好著である。...
View Article数学者・志村五郎⑧~東京5・25大空襲~ヤケアトツムタケ
志村先生は先の戦争末期の頃には中学生で、勤労動員などを経験していた。勿論空襲も人並みに体験しており、防空壕掘りもなさったとのことである。アメリカ軍による東京の〈1945年の〉空襲としては、3.10、4.13、5.25の3回が大規模だったようで、「記憶の切繪図」に次の記述がある:...
View Article数学者・志村五郎⑨~オッペンハイマー~アイヒマン
昨日、偶々目にした京都大学広報誌《紅萠》の第17号(2010年3月)対談「インド古典の諸相 赤松明彦」に、ヴェイユなる人名を見付けた。ちょっと長いが、当該箇所を引用する:...
View Article数学者・志村五郎⑩~猫死んじゃった~Chopsticks
何の絡みだったか忘れたが、志村先生が「猫死んじゃった」という初歩のピアノ曲をアメリカでは“Chopsticks”と言うと書いていたように記憶する。日本では「猫踏んじゃった」が普通の呼び名だと思うが、検索してみると、歌詞が有って、最後は“猫死んじゃった”になるとかで、その題名もありかと納得した。...
View Article数学者・志村五郎⑪~東京4.13空襲~湯島の白梅
二週間ばかり先だが、混声合唱団《愛唱会》として 第29回アカデミー向丘まつり 2月21日(土) に参加する(午後12時45分~13時15分)。裏通りにある現用の古い施設での開催はこれが最後で、来年からは表通りの新築施設での開催となる。...
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