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ISIL人質事件~英訳で誘発~誤訳?

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日経新聞に次のような記事が有り、興味をそそられた:
 
人質事件、首相演説の「英訳で誘発」 元気にする会・松田氏 2015/1/28 20:04
 
~松田公太代表は28日の参院代表質問で、中東の過激派「イスラム国」の周辺国への2億ドルの人道支援を表明した安倍晋三首相のスピーチについて、英訳~が日本人人質事件を誘発した可能性を問題視した。首相は反論した。
 首相は中東歴訪中の17日に演説し「地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISIL(イスラム国)と戦う周辺各国に総額で2億ドル程度、支援をお約束する」と述べた。
 松田氏は、英訳では支援の目的を説明する部分が「イスラム国と戦っている国が戦闘要員や戦闘の基盤を構築するために2億ドル支援する」となっていると指摘した。
 そのうえで「日本が本格的に戦争に加担することになったと捉えることができ(人質事件の)口実を与えてしまった可能性がある」と強調。首相に「あえて変えて発信したのか、単純ミスなのか」と質問した。~
 
問題の(支援目的の)英訳が掲載されていた:
 
for those countries contending with ISIL, to help build their
human capacities, infrastructure, and so on
 
これでは質問者の方に分がある。態々“contending with ISIL”の国々を支援すると言えば、ISIL(イスラム国)を敵視していることを表明するも同然だ。日本語草稿はどうなっていたのだろうか。むしろ、そちらの方に興味が湧く。安倍晋三氏の正直なところが記されているに違いない。
 
ところで、この訳文には別の意味で引っ掛かるものがある。前後の言い回しを見なければ確言できないが、動詞“help”の一語を挿入するのは誤りではないか。その意味上の主語が“those countries”となるので、“(誰かが)人材、基盤を整備するのを(それらの国々が)支援する”と解釈できる。
 
単純に“to build”であれば、“(それらの国々が)人材、基盤を整備するのを(支援する)”意味になり得る。ただし、全文で見た場合、“to help”が日本側の行為を意味しているのであれば、問題は無い。
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