老人ホーム慰問コンサート~転調嫌い~自主ハモリ
ボランティア・グループで老人ホームにコンサートの出前をしてきた。歌い手10名前後、弦楽器3(ヴァイオリン、チェロ、プサルター)、管楽器1(フルート)、指揮(兼 司会・ソロ)、ピアノ、の大部隊であった。 ここは年3~4回訪問するお得意先で、お客さんが多い(約70名?)。歌詞カードが配付され、会場の皆さんも自由に歌うことを勧められる。 1.おぼろ月夜 二部 2.さくらさくら 二部 3.春がきた...
View Article深井史朗~残菊物語~東海林太郎
「東海林太郎歌のすべて(東海林太郎吹込歌謡全集)」(2014/4/9(水))の暦年作品一覧データの中に、“残菊物語(ポリドール 昭和14年12月)藤田まさと/長津義司”の一項がある。 知らない歌だが、タイトルの「残菊物語」に呆けた脳が反応した。つまり、過去に見たか、聞いたかしたタイトルだと思われた。 その後、偶然に己がノートにメモを見付けた。“残菊物語 佐伯/深井 楠繁夫...
View Article春愁払拭~伊藤 光(ソプラノ)~矢口 智恵(メゾソプラノ)
春だからというわけでもないだろうが、自分が間抜けで、口惜しい思いをすることが多い。悧巧に振る舞ったつもりが、実はそうでもなかったと後で判り、自己嫌悪に陥るのだ。鬱にならないよう、精々歌の世界に嵌っていよう。 というわけで、今週も副都心のランチタイムコンサートを楽しんできた: 第348回 私の絶望を彩る光と華伊藤光(ソプラノ)/矢口智恵(メゾソプラノ)/豊田華子(ピアノ) Aプログラム12:05~...
View Article島崎藤村「春やいづこに」~作曲・平岡均之~作曲・三島喜代造
当ブログで何回か取り上げた作曲家・平岡均之の作品に「春やいづこに」という三部合唱曲(変ロ長調 2♭、6/8拍子、21小節)がある。島崎藤村の第2詩集「一葉舟」(1898年6月、春陽堂)に発表され、後に藤村詩集(1904年9月、春陽堂)に再録された詩「春やいづこに」に作曲したものだ。 かすみのかげにもえいでし糸の柳にくらぶればいまは小暗き木下闇 ( コシタヤミ ) あゝ一時 ( ヒトトキ )の...
View Article出前コンサート~都心に蛙の声~世間の変化
「高齢者サービスセンター」という名称は正式には存在しないらしいが、ボランティア・グループの出前コンサートに参加して来た。 当てにならないバスを利用するため、充分の時間的余裕をもって出掛けたところ、目的地に早く着きすぎたので、散歩で時間調整をした。以前から噂に聞いていた大名屋敷跡の公園を見付けて入ってみると、都心には珍しい高低差のある小公園で、中心にある池からは蛙の声まで聞こえてきた。...
View Article連日ボランティアグループ~リンゴの花咲く頃~男声(蛮声)オブリガート
昨日に引き続き、ボランティア・グループのお付き合いで、定例練習会に出た。昨日の今日だから、出席者が少ないのは無理も無い。しかし、グループとしては、新しいプログラムに本格的に取り組む初日だから、大事な練習日なのだ。実際、新曲3曲の仕上げが急ピッチで進み、皆さん、“いい具合だ”と満足そうだった。...
View Article古関裕而~海を呼ぶ~無調歌曲
古関裕而の作曲で「海を呼ぶ」(詞 薮田義雄)という歌が「日本作曲年鑑 1934年」に載っていた。 楽譜を見ても曲のイメージが湧かない。五線冒頭に調号が無いので、愛しのハ調かと思いきや、♯や♭などの臨時記号がふんだんに置かれており、変拍子でもある。親しみ易い“古関メロディー”の面影は無い。...
View Article諸行無常~仏教の基本的教義~仏教も諸行無常
出版社のPR誌『春秋 2014年4月号』(No.557)が“特集いま仏教的なものをめぐって”を組んでいる。巻頭論文は「立ち向かう仏教 - 上田紀行」で、現代の(日本)仏教に対するネガティヴなイメージにめげず、人々の新しい支えとなる仏教を構築しようと熱く語っている。 その中に、ダライ・ラマの「仏教も諸行無常を逃れられない」という言葉が引用されている。...
View Article花名~歌名~捨てる神あれば
梅、桜、躑躅、藤、、、と次々に花の咲く季節に合わせて、歌の方も引っ換え取っ換えしている。「湯島の白梅」、「東風吹かば」、「さくらさくら」の時期は過ぎた。 今は、愛唱会で「アカシヤの花」を、そのりてで「みかんの花咲く丘」、「夏は来ぬ」、「からたち日記」を、ボランティア・グループで「リンゴの花咲く頃」、「花の街」を歌っている。...
View Article歌名~動物名~何でもあり
歌曲における植物名の選別は、かなり明瞭なようだが、動物名はどうだろうか。直観的に、植物ほどには差別が行われていないような気がする。 悪役の代表、オオカミなど、童謡に登場する。鬼や悪魔も歌になっているようだ。ハイエナ、ハゲタカの歌は知らないが、有りそうな気がする。 動物も、脊椎動物から離れて、節足動物を見渡すと、昆虫類は人気種だ。害虫なのに、ノミの歌は有名だ。ゴキブリは、「ラ・クカラーチャ」だ。...
View Article河北新報~東北振興歌~報知新聞
「東海林太郎歌のすべて(東海林太郎吹込歌謡全集)」(2014/4/9(水))によると、仙台の新聞、河北新報が懸賞募集して、選定したという「東北振興歌」を東海林太郎が1936(昭和11)年にレコードに吹き込んでいる。 作詞は渋田進、作曲は阿部武雄となっている。探索しても、そのレコード音源や楽譜は勿論、歌詞さえ見つからなかった。...
View Article音楽情報処理~自動理解~能動的音楽鑑賞サービス
かなりの旧聞に属するが、日本学士院の次のような“お知らせ”があった: H26.01.14 日本学士院学術奨励賞の受賞者決定について日本学士院は、優れた研究成果をあげ、今後の活躍が特に期待される若手研究者6名に対して、第10回(平成25年度)日本学士院学術奨励賞を授与することを決定しましたので、お知らせいたします。~氏名後藤 真孝 (ごとう...
View Article琵琶湖周航の歌~タケオジマ~音大生中心
「琵琶湖周航の歌」を、偶々ヒットしたYoutube(音楽大学に在籍する学生を中心にして結成された合唱演奏を追求する混声室内合唱団)で聴いた。 さすがに我々爺婆コーラスとは段違いの上手さだと感心しながらコメント欄を見ると、“竹生島は残念ですね、言葉をおろそかにしては歌としての基本点から間違っています、”とあった。...
View Article石井露月~去つて栗留まつて酒~俳句作法
月刊誌「俳星」4月号(2014年)巻頭に、伊藤整が『硯友社と一葉の時代』で石井露月について書いた部分が転載されている。 露月(2013/7/11(木) など)が明治29年の秋、医師前期試験に通り、十月の末、郷里秋田に戻る際に、正岡子規を中心とする送別句会を開いて貰った。その席で露月が詠んだ2句が紹介されている: 少年の紅葉に狂すときかばわれ去つて栗留まつて酒いづれ秋...
View Article露月俳句~季重なり~軽重自明
昨日、月刊誌「俳星」4月号(2014年)の記事を基に石井露月の俳句について初歩的な疑問をアップした後、同5月号が届いた。 めくると、巻頭言は同じく露月論である。実は連載『露月折々』で、今号は第44回となっている。随分と永続きだ。それだけ材料に事欠かない、事績豊富な俳祖と言える。 さて、今号は、のっけから露月句を表題とする小論の引用である。...
View Articleフタアツ/まど・みちを~山口保治~ないしょ話/結城みちを
古色蒼然たる「日本名歌五〇〇曲集」(奥田 良三/山本 芳樹/共編 新興音楽出版社 1942)の目次を眺めていて、想定外の作詞者名に遭遇した。 “60 フタアツ・・・(まど・みちを作歌・山口保治作曲)” カタカナの“フタアツ”も不思議な題ながら、“まど・みちを”とは、今の人ではないか、と思った。念のため検索すると、つい2か月ほど前に亡くなっていると判った。 “2014/02/28 -...
View Article国民歌謡~母の歌~国民学校唱歌
無数と言っていいほど沢山の歌が溢れていて、歌の主題として特定の事物、事象が好まれるからには、同名異曲の出現は必然である。 間もなくやってくる“母の日”とやらに因んで、“母”関連の歌を渉猟したところ、例えば、次の二つの「母の歌」が目に付いた。 母の歌 板谷 節子/橋本 国彦 /国民歌謡 ごらんよ坊や あの海を 沖は朝風 お陽さまよ坊や海の子すくすくと 潮の息吹で 育つわねごらんよ坊や あの山を...
View Article単語回生~五十音スキャン法~頭の体操
初夏にも珍しいほどの爽やかな一日だった。ゴールデンウィークとかで、いろいろお楽しみの方々もいらっしゃるようだが、当方は普段と変わりなく、街中で雑用を足し、ついでに新聞のまとめ読みをした。 日本経済新聞2014/5/2付夕刊の記事に心が共鳴した。「頭の体操」と題する作家・出久根達郎氏の随筆の冒頭:...
View Article中西進~聖徳太子暦~和の精神
學士會会報No.906(平成26年5月発行)に、中西進氏(日本文学研究者)が「~随 想~四つの聖徳太子暦」を寄せている。タイトルも本文も些か解りにくかったが、結構面白い。内容を独断で整理すれば次のようになる。 聖徳太子が十七条憲法を制定した推古12年(604AD)を紀元とする。ここから四つの暦を数える事が出来る。 ①...
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