初夏にも珍しいほどの爽やかな一日だった。ゴールデンウィークとかで、いろいろお楽しみの方々もいらっしゃるようだが、当方は普段と変わりなく、街中で雑用を足し、ついでに新聞のまとめ読みをした。
日本経済新聞2014/5/2付夕刊の記事に心が共鳴した。「頭の体操」と題する作家・出久根達郎氏の随筆の冒頭:
“寄る年波で、物忘れがひどくなった。特に固有名詞が出てこない。そんな時は五十音をゆっくり頭の中で唱える。それでも浮かばなければ、隣の行と二語組み合わせる。”
この、言わば「五十音スキャン法」は、当方も六十年近く実践している単語回生の手段だ。もともとは、受験対策で思い付いた。
“寄る年波で、物忘れがひどくなる”前から、理屈抜きで機械的に詰め込んだ知識を呼び戻すのは容易ではなかった。
言葉を思い出したいときに、ただ脳みそを絞る動作をするより、アイウエオ順に音の組み合わせを試すと、運が良ければ、目的を達する事が出来た。若い頃は成功率は高かった。
齢と共に、この原始的コンピュータの如き検索術は効率が低下した。最近は出番も少なくなっている。脳の基本性能が落ちているからであることは明らかだ。
そこで、出久根氏の言う「頭の体操」が必要だと思うのだが、肝腎のその部分は読まずに帰宅した。どんな妙法をご教示されているのだろう。
ところで、対象が言葉(単語)であれば、言わばディジタル・データだから、五十音スキャンという機械的検索法が有効だが、歌のメロディーが相手の場合には、応用が利くだろうか。
後藤真孝先生(音楽情報処理~自動理解~能動的音楽鑑賞サービス 2014/4/27(日))の手に掛れば、たちどころに解決できそうだな。