眠れ、悪しき子よ ~ 素数様式 ~ 散文詩
丸山健二・著「眠れ、悪しき子よ」(上・下、文春2011)を読んだ。この本を図書館に借用申し込したのは、≪全六百ページの各ページがいずれも素数である2・3・5・7行の四段書きで統一されており、作中の住宅戸数や殺される人数も素数である≫と何かに書いてあったからだ。...
View Articleマリア・テレジア ~ モーツァルト ~ マリー・アントワネット
昨5月13日はマリア・テレジア(1717-1780)の生誕300年という記念すべき日だったとかで、オーストリアでは盛大にお祝いをしたとのニュースがあった。記念展覧会や音楽会なども多数開催されているらしい。...
View ArticleOde to Joy ~ 歓喜の歌 ~ Joyful, Joyful
某所で英語の歌“Ode to Joy”を教わった。メロディーはベートーベンの第9交響曲の合唱“An die Freude”のサビの部分そのものであった。映画の主題歌のように紹介されていた。 歌詞はシラーの≪Freude, schöner Götterfunken ~≫の英訳≪Joy, beautiful spark of the gods, Daughter from...
View Article365日の紙飛行機 ~ こころのなかに ~ デジャヴュ
某所で「365日の紙飛行機」を歌うとの予告があったので、楽譜を捜してメロディーをなぞってみた。一部、不自然なリズムや六度下降七度上昇音程にまごついたが、大きな障碍は無さそうだ。...
View Article目に見える世界は幻想か ~ 物理学の思考法 ~ 哲学論
図書館に申し込んでおいた「目に見える世界は幻想か?物理学の思考法」(松原隆彦、光文社新書 2017.2.15)の順番が漸く回って来た。発行もとの紹介文は次の通り:...
View Article国歌「君が代」 ~ 九州王朝「賀歌」 ~ 状況証拠
古田武彦『奪われた国歌「君が代」』(情報センター出版局 2008/7/1)を読み始めた。例の如く、何故9年前の刊本を態々図書館に予約したのか思い出せないが、恐らく、タイトルの「君が代」に絡め取られたのだろう。一時期、北国の≪さくらの会≫で「君が代」に凝っていたことがあるから:...
View Article古田史学 ~ 金印 ~ 郡評論争
古田武彦『奪われた国歌「君が代」』を上辺をなぞるように粗読し終えた。引っ掛かることが2件残った。ひとつは、古田氏がいわゆる「金印」の真贋について触れていないことだ。意外なことに、彼は、それが後世の捏造品であるとは認識していない様子である。 ふたつ目は、いわゆる「郡評論争」である。お勉強サイトから引用すると: ≪郡評論争(ぐんぴょうろんそう)...
View Article訪問コンサート ~ 大過無し ~ 小過有り
季節外れの暑さの中、東山ホームの月例訪問コンサートを大過無く終えた。 小過はあった―――事前打ち合わせしたプログラムの進行から逸れること数回。その度にメンバーから即座に注意されて事なきを得たものの、暑さのせいばかりではないと思われる。 若葉(文部省唱歌)お山の杉の子(同)初恋(啄木短歌)夢のお馬車(童謡)Ombra mai fu...
View Article童謡「こがねむし」 ~ ブラームス『四つの厳粛な歌』 ~ alle alles
某所で童謡「こがねむし」を斉唱した。他愛の無い童謡という認識を昔から持っており、歌詞を倒錯しがちであった: コガネモチ(小金持ち)は カネムシ(金虫)だ 講師(ピアニスト)のひと言が鮮烈に響いた。ブラームス作曲のある歌曲が「こがねむし」のメロディーにそっくりで、それを弾くたびに思い出すと言うのだ。 ネット検索すると、その件は人口に膾炙していると知れた:...
View Article山田のカカシ ~ ヘイトスピーチ ~ 平田のカカシ
“山田の中の一本足のカカシ、、、、” 童謡「かかし」をいつ頃覚えたのか定かではない。一番はほぼ歌えても、その後は知らなかった。改めて検索すると次の通り: 文部省編集 尋常小学唱歌 第二学年用 発行1911(明治44)年6月 第十一 案山子一、山田の中の一本足の案山子、 天気のよいのに蓑笠着けて、 朝から晩までただ立ちどほし。...
View Article春の文化祭 ~ 歌曲「花」~ 作者名
先日、某施設の≪春の文化祭≫での合唱発表に参加した。総勢三十名ほど、観客はその三倍ぐらいだったと思う。合唱とは言っても実際は斉唱で、甚だ緊張感に欠ける。勝手にハモリを入れたが、女声衆多に埋没する運命にあり、儚い自己満足を味わった。...
View Articleままさんコーラス ~ 尼さんコーラス ~ 般若心経
チケットを頂いて≪全日本おかあさんコーラス東京支部大会≫1日目を鑑賞して来た。 全日本おかあさんコーラス東京支部大会2017年5月28日(日) 府中の森芸術劇場 どりーむホール聴いたのは、時間の都合が有り、次の通り: 出演順団 体 指揮者人数 本...
View ArticleJASRAC集金攻勢② ~ 法の独り歩き ~ 無害な実態の尊重
日本音楽著作権協会(JASRAC)の横暴について、先達て投稿した(JASRAC集金攻勢~歌う老人会~抹殺の危機 2017/3/13(月))ところだが、音楽教室への課金の方針に伴う軋轢はその後も断続的に報道されており、新しくは次のようなWebニュースが: ≪音楽教室側、JASRAC集団訴訟へ 200社超参加か朝日新聞デジタル...
View Article数学者たちの楽園~不可能問題の解~不吉な回文素数
サイモン・シン/[著]青木薫/訳『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』(新潮社 2016.5)をざっと読んだ。お奨め書評に釣られて図書館から順番待ちの末借りたにしては面白くなかった。数学の話題が、「ザ・シンプソンズ」というTV番組の紹介や裏話に埋もれ気味で、中身が薄まっている。...
View Articleうた 歌 ~ 祭祀 ~ うた 唄
数日前の新聞で、漢字学者が「歌」について書いたコラムが簡にして要を得ているので、記録しておこう: 歌の対象 神から人間に阿辻哲次 2017/5/28日経朝刊~ 数十万年前の原人だって、私たちと同じように、嬉(うれ)しい時には笑い、悲しい時には泣いたにちがいないが、それでも娯楽と呼べるものは格段に少なかったし、嬉しい時には口から音声を出しただろうが、それが歌かどうかはわからない。~...
View Articleペリー来航 ~ 商船フート号 ~ 妙齢西洋婦人
山本有造/著「カロライン・フート号が来た! ペリーとハリスのはざまで」(風媒社2017.2)の借用順が回って来た。出版社の内容説明は: ≪1855年3月15日の夕暮れ、アメリカ商船カロライン・E・フート号が下田港に来航。平服の紳士、妙齢の夫人と二人の幼い子供連れで上陸した。彼らは日本に何を見たのか。そして、日本人は彼らに何を見たのか。≫ 読み始めたら、『第一章...
View Articleんま ~ 消えた音韻 ~ んめ
またまた日経新聞に貴重な題材を見付けた。個人的な回想に浸ることになるが、当方の母校たる小学校の60~70年も昔の写真が載っていた: 谷口吉生(3) 疎開小1金沢の祖父母宅に 空襲警報、暗闇の中を避難2017/6/3付 日本経済新聞 朝刊子供のころ、東京から金沢までは夜行列車で一晩かかる長旅だった。...
View Article物理学と哲学の接近 ~ バガヴァッド・ギーター ~ 記述の捻れ
岩波書店PR誌『図書』2017年5月号に掲載の≪物理学と哲学の接近 筒井泉≫が面白い。物理学の最先端かつ根本の理論および知見を人間世界の言葉でどのように説明し、理解するかは優れて哲学的考察の問題でもある。 物理学者は哲学を、哲学者は物理学をそれぞれ勉強して、議論が噛みあって来た状況にあるらしい。これは、アインシュタインがノーベル賞を授与された頃、およそ百年前とよく似た状況だとのことだ。...
View Articleピアニスト ~ ヴァイオリニスト ~ 楽団構想
月一の練習日だった。先月一年ぶりに急遽参加したヴァイオリニストに加えて、ピアニストもいよいよ新規参加し、充実した練習が出来た。こうなると欲が出て、ヴォーカル陣も充実させたいところだが、募集広告も全く効果なし。あちこちの歌の会などには結構な人数が集まるのだが、何故か当会は人気が無い!...
View Article世界に一つだけの花 ~ 一つとして ~ 二つとして
某所で槇原敬之・作詞曲「世界に一つだけの花」の二部合唱を楽しんでいる。言葉をメロディーに上手く乗せることが出来れば、文字通り“ノリノリ”で軽快に歌えるのだが、若者向きの歌の例に洩れず、リズム、譜割りが日本語の常識とは乖離しているようで、口が上手く回らない人もいる。 その歌詞には、題名が示す通り、「1」が度々登場する: Only one、NO.1、一番、一人一人、一つ、(一生懸命?)...
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