山本有造/著「カロライン・フート号が来た! ペリーとハリスのはざまで」(風媒社2017.2)の借用順が回って来た。出版社の内容説明は:
≪1855年3月15日の夕暮れ、アメリカ商船カロライン・E・フート号が下田港に来航。平服の紳士、妙齢の夫人と二人の幼い子供連れで上陸した。彼らは日本に何を見たのか。そして、日本人は彼らに何を見たのか。≫![イメージ 1]()
読み始めたら、『第一章 カロライン・フート号婦人図をめぐる若干の考察 第一部 カロライン・フート号の来日 一 黒船来る』の書き出しが:
≪嘉永六年六月三日(一八五三年七月八日)朝、下田沖に出ていた十艘ほどの小舟は、靄の中から現れ、相模湾の奥、江戸方面に向かう四隻の黒船に肝をつぶした。
ペリー提督率いるアメリカ合衆国海軍東インド艦隊は、その夕刻に浦賀沖に投錨し、九日には久里浜に上陸して大統領フィルモアの国書を幕府代表に受領せしめ、十二日には、国書の回答を得るため再度来航することを約して、南に去った。~≫
読み始めたタイミングは全くの偶然であるが、旧暦日付とは言え、今日と同じ6月3日の出来事が書き出しになっているのには驚いたり、嬉しくなったり。
ペリーの一回目の来航が1853年であることは、当方小学生時代に教わり、その後の反芻効果により永久記憶となった数少ない例の一つである。恐らく、当時ちょうどペリー来航百年ということで印象が強かったのではないか。
歴史的事件を具象的に生き生きと叙述してくれる本を読むのは、抽象的に教わるのと違って頭に入り易いし、そもそも、面白い。今回は、素材自体が初耳で、好奇心を掻き立てられる。
その素材とは、1855年3月15日、下田港に入ったアメリカ商船カロライン・E・フート号で、話の取っ掛かりは下田に上陸した妙齢の3夫人である。