日常、気が抜けたような中途半端な時間に、図書館から借りている本を読んでいる。殆どは新聞の書評欄で見掛けた本だが、申し込んでから手にするまでに相当の日数が掛るので、その本の何が注目に値するのかは覚えていない。![イメージ 1]()
飛ばし読みして今日返却した「ラスト・ウェイ・アウト」(ハヤカワ・ミステリ文庫)は、583ページもあり、翻訳ものでもあり、読了に難儀した。折角借りたからという義務感で形式的に全頁目を通したが、かなりの間引き読みであった。
途中で、本当は、読むに値しないと思ったのだが、一応結論だけは確認しておきたかった。数十年前に途中まで読んだ夢野久作の「ドグラ・マグラ」を連想した。つまり、同じ様な印象を受けた。
併行して読んでいた永井豪「海馬島脱出 子どもたちの敗戦記」(岐阜まつお出版 2016.11)は惹きつける内容がある。樺太の南端近く沖合の離島「海馬島」の一種“楽園”振りは、“常識”を覆す。戦後、島に進駐してきたロシア軍との共存も劣らず興味深い。
再録された元島民の手記の一つが≪「喜びも悲しみも幾歳月の家族」西原澪子≫で、灯台守一家の話だから映画のタイトルを援用したのかと思ったら、筆者が映画のモデル夫婦の長女だとある:
≪灯台守一家の一員として海馬島灯台があった長浜に一時居住~名画「喜びも悲しみも幾歳月」原作者の田中績・きよ子灯台守夫婦の長女≫
本文によれば、≪『婦人倶楽部』1956年8月号に載った、当時、福島県塩屋埼灯台長夫人だった母の投稿「海を守る夫とともに二十年」が木下恵介監督の目に留まり、翌年、映画「喜びも悲しみも幾歳月」が生まれた。父母は1942年から6年にわたり海馬島灯台に勤務した。≫