一昨日の朝日新聞に福岡伸一氏が素数の話題を寄せていた:
≪(福岡伸一の動的平衡:60)素数に魅せられて 2017年1月26日05時00分
~「こんなの知っている? 31は素数、331、3331、33331も素数、これどんどん続くんだよ」「え、すごいじゃん!」~私も素数オタクなのでこの話は知っていた。3が七つ並ぶところまでは素数だが次の、333333331は、残念ながら17で割り切れてしまう。~≫
これだけでも十分に面白いが、≪ちなみに2017は素数。割り切れない。でも虚数を使うときれいに因数分解できます。2017=(44―9i)(44+9i)≫には目が覚める思いだった。整数の範囲を実数から複素数に拡大するという発想は当方には無かった(年末雑感~素数年~多約数年 2016/12/29(木))。ちなみに、2017=(9+44i)(9―44i)とも分解できる。
さて、これが福岡氏の独創かとネット検索したら、数学者の論文の紹介が見付かった:
≪素数が素数でなくなるとき(2010年2月9日) 九大理学部ニュース
素数は数の性質を考える上でとても重要だが、実はどのような数の集合の中で考えるかで素数であるかないかが変わってしまう。数理学府の吉田さんは、素数が素数でなくなる度合いを表す手法の1つを洗練し、より正確な度合いの測定を可能にした。 吉田学 (数理学府)
素数 2の場合、整数全体の集合では1と2でしか割り切れない。しかし、虚数 i を含む集合を考えたとき、2=(i-1)(i-1)i というように、i-1で割り切れてしまう。~
Notes:「素数でなくなり方」には2種類あり、それぞれ"分解する"、"分岐する"という。文章中の2=(i-1)(i-1)i のように同じ数で2回以上割り切れるときを"分岐する"といい、5=(2+i)(2-i)のようなときを"分解する"という。
より詳しく知りたい方は・・・
タイトル Ramification oflocal fields and Fontaine’s property (Pm) (PDF )
著者 Manabu Yoshida 雑誌名 MI Preprint Series ≫