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祝典序曲 ~ ジャック・イベール ~ 紀元二千六百年祝典音楽

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今日121日は、フランスの作曲家、ジャック・イベール(18901962)の「祝典序曲(改訂版)」初演(1942)の日だ(ヤマハ 音楽ひめくり):
 
≪日本の紀元2600年(西暦1940年)を祝うため、フランス政府を通じてイベールの元へ祝典序曲を作曲するよう1939年要請があった。翌40年の4月にかけて完成された『祝典序曲』は、人々の高らかな喜びを表すような主題で始まる演奏時間約15分の楽曲で、初演は1940年7月に東京で行われた。イベールはその後さらに推敲を重ねた「改訂版」を作り、その初演は1942年1月21日、シャルル・ミュンシュの指揮でパリにて行われた。≫
 
という次第であるが、太平洋戦争を含む第2次世界大戦の時期にまたがる出来事であり、興味をそそられる。フランスは早々とナチスドイツに降伏し、パリは4年余り占領下にあった(1940614日~1944824日)。『祝典序曲』の初演は、初版が日本で、改訂版がフランスで、ドイツがフランスを占領支配している時に行われたことになる。
 
さらに、次のように解説するサイトもある:
 
(ナチスからの)解放後のパリ音楽院演奏協会のコンサートは、シャルル・ミュンシュ指揮のもと、19441022日にこの「祝典序曲」と、オネゲルの「解放の歌」(初演)が演奏されている。
 
日本では「紀元二千六百年祝典音楽」、つまり大日本帝国の光輝ある歴史を祝う音楽と思っていたが、イベールを含むフランス人にとっては、特に日本のためという意識は無く、汎用性のある「祝典音楽」だったようだ。
 
ネット上の音源で聴いてみても、日本を連想させるものは感じられず、当方の耳には無調音楽のように響く。印象は悪くない。確かに「祝典」に相応しい曲であると思った。曲名は≪Ouverture de Fête≫で、日本とも、二千六百年とも記されていない。イベールの代表作の一つとされているのだろうか。
 
リヒャルト・シュトラウスの「紀元二千六百年祝典音楽」はどうなのだろう(祝典音~リヒアルト・シュトラウス~紀元二千六百年 2011/9/11())。

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