今年のランチタイムコンサート巡りは丸の内(と言っても東京駅の八重洲側)で、ソプラノとメゾソプラノの協演(競艶)により華やかに幕を開けた。定刻2,3分前の会場入りだったが、空席があった。都心のオフィスが未だフル稼働していないのか、あるいは、新年の挨拶回りに駆けずり回っている方が多いのか。この会場で着席して鑑賞したのはいつ以来だろうか、思い出せない。
瀧廉太郎 「花」 二重唱
木下牧子 「ひばり」 藤井
「さびしいカシの木」 山下
「誰かがちいさなベルをおす」 二重唱
ブラームス 「永遠の愛」作品43-1
「六つの小品作品118第2番 間奏曲イ長調」ピアノ鴇田恵利花
ドリーブ 「花の二重唱」(ラクメ) 二重唱
プッチーニ 「私の愛しいお父さん」(ジャンニ・スキッキ) 藤井
ビゼー 「ハバネラ」「セギディーリャ」(カルメン) 山下
アルディーティ 「くちづけ」 藤井
お二人の歌手は、模範的なソプラノとメゾソプラノで、理想的な組合せであったあった。それぞれの持ち味が十分に発揮され、二重唱も完璧にハモっていた。ややもすると、メゾソプラノはソプラノに掻き消される恐れもあるが、山下の立派な声はその心配が無い。
藤井嬢はこの春博士課程を終えるらしい。彼女の≪博士後期課程学位審査演奏会≫が今月28(土)に催される旨、藝大から告示されている(http://www.geidai.ac.jp/container/sogakudo/51768.html)。入場無料とある。行ってみよう。
ピアニストの鴇田嬢が進行係で解説を担当したのだが、話しぶりから察するに、プログラムノートも彼女が起案したらしく、博識が滲み出れようなトークだった。