先日、某所で「真白き富士の根」を斉唱する機会があった。稀有のことに、歌詞全6番をすべて歌った。大概の人は、1番、2番ぐらいまでは滑らかに歌う。しかし、その先は段々覚束なくなる。歌詞カードを手にしていても、漢字の読み方が判らなかったり、譜割りに迷ったりして口元がモゴモゴする。
時には、歌詞カードにミスプリがあったりする。今回気付いたのは、4番
≪み空にかがやく 朝日のみ光 暗にしずむ 親の心
黄金も宝も 何しに集めん 神よ早く 我を召せよ≫
の“何しに”が“何にし”となっていたところ。意味不明だが“なににし”と歌った人もいただろう。
全6番を間奏無しで歌い切ると、最後は息切れ気味だ。時間にして7,8分は掛っただろうと思われる。心なし、皆さんの声が尻切れトンボで終わったようだった。
お坊さんの読経は何分くらい続くものか、計った事は無いが、15分ぐらいは珍しくないだろう。時々喉をクリアするにしても、殆ど切れ目なく朗誦するのだから、やはり相当の訓練を積まないと全うできまい。
聴かされる側が眠くなる点はさておき、その特殊技能には敬意を表しても罰は当たらないだろう。