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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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楽譜一世紀ぶり発見 ~ ストラビンスキー ~ 武満徹を発掘

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一昨日の日経夕刊に次のような小さい記事が載っていた:
 
≪紛失のストラビンスキー管弦楽曲発見 1世紀ぶりに演奏へ
                                                                      日経夕刊 2016/11/29
 
 ~ストラビンスキーが1908年に作曲した後、1世紀以上も紛失したままになっていた管弦楽曲「葬送の歌」の楽譜が発見され、~マリインスキー劇場で12月2日、音楽総監督ゲルギエフ氏の指揮で演奏される。

 同劇場によると、ストラビンスキーが師事していた作曲家、リムスキー=コルサコフが08年に死去した際、追悼のために作曲。09年のコンサートで一度だけ演奏された。その後、ロシア革命の混乱で楽譜が失われ~

 だが、サンクトペテルブルクの国立リムスキー=コルサコフ音楽院で2015年、修復工事に伴う引っ越し準備の際、音楽資料室の倉庫を整理していた係員が楽譜を見つけた。

 ~ストラビンスキーは曲を思い出せず、遺失を悔やみ、どこかの資料室に楽譜が眠っているはずだと晩年に指摘。関係者らが捜していたという。≫
 
ストラビンスキーの名は知っていても、その音楽には全く馴染みが無い当方、さほど神経の昂るニュースではないが、“ストラビンスキーは曲を思い出せず”というところに興味を覚えた。

大規模な管弦楽曲の隅々まですべてを楽譜に再現するだけの記憶は残っていなかったという意味なのかと思うが、大音楽家でも自作を“思い出せない”ことがあるのだなあと妙に感心した。
 

ストラビンスキーの生没データは、1882617- 197146となっており、「葬送の歌」は26歳の時の作曲ということになる。長寿を全うした彼が“晩年に”思い出せなかったのだとすれば、無理も無いことだと納得される。

 
ところで、ストラビンスキーは1959年の来日中に偶然、武満徹の作品を聴き、絶賛し、これが後に武満の世界的評価につながったとウィキペディアに記述されている。事実とすれば、人の運命の不思議に感じ入るとともに、芸術作品の評価が如何に微妙なものかを改めて痛感する。

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