今朝の朝日新聞折り込みの月刊 GLOBE に、面白い特集がある:
男と女
「優等生」
いきなり意味不明の“シュポンタン”をぶつけられ、目を白黒させる。アンポンタンの類語かと思う間もなく、小見出しに“あこがれの「シュポンタン」”とあるから五里霧中に立ち往生する。ドイツ語で≪日本語の直訳は「無計画、行き当たりばったり」といった意味≫だと教えられる。
それでもドイツ語っぽく感じられず、検索してみるとspontan と綴ることが判り、ネット辞書により、“自発的”の意味と知る。ここで英吾のspontaneous に繋がり、真正なドイツ語であることを納得した。改めてspontaneous の意味を確認すると、≪4〈体の動き・文体などが〉のびのびした, 自然な≫があり、やっとspontan = 「無計画、行き当たりばったり」の等式が見えてきた。
しかし、「シュポンタン」を日本に紹介した一人と言われる日独ハーフ女性に問うと、「例えば、数か月後の同窓会の案内状に、『そんな後じゃなく、来週やっちゃえ』と言い出すノリのこと。多くのドイツ人が、特別なあこがれを抱いています」だそうだ。
生真面目なるが故に「シュポンタン」にあこがれるドイツ人の一面が浮かび上がる。
この話題と如何なる関連があるのかピンと来ないのだが、『世界の日本人ジョーク集』という昔の本から次のような引用をしている:
≪沈みかける客船から乗客を速やかに脱出させるため、船長がそれぞれのお国柄に合せて叫んだ。
アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ」
イギリス人には「飛び込めば紳士ですよ」
日本人には「みんな飛び込んでいますよ」
ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則になっています」≫
当欄の前々回『エーデルヴァイス海賊団』関連の投稿において、ナチスに対する公然たる反抗運動の見られたドイツと、大政翼賛一色だった日本との違いに慨嘆したが、これも≪あこがれの「シュポンタン」≫説で読み解くことが出来るだろうか。
蛇足だが、≪ラブホテルと見本市≫が通俗的な意味で大変面白い。お堅い朝日新聞でも、ここまで書くようになったのかと、感激した。特に≪見本市≫の項は秀逸。