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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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沙羅の木~森鷗外記念館~詩碑六十周年?

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昨日の「勤福祭(きんぷくまつり)」で出番の無かった曲の一つは、森鷗外/下総皖一「沙羅の木」だ。会場の近傍に鷗外記念館のような施設があり、「沙羅の木」の詩碑が外周壁の内面に嵌め込まれている。
 
褐色の根府川石に
白き花はたと落ちたり
ありとしも葉がくれに
見えざりしさらの木の花
 
 
孫引きになるが、この詩碑について由来を説明する資料を示しておこう:
 
“森於菟著『父親としての鷗外』(ちくま文庫、1993年9月22日第1刷発行)に次のようにあります。
昭和二十九年七月九日は父の三十三回忌に当るので、私は、弟妹とはかり父の供養のためにするという名義で、「沙羅の木」の詩壁を建てることにした。
 ~永井荷風さんを訪ねて執筆をお願いしたところ、世俗をきらうというので名高い荷風氏は一言の下に快諾され、半月ばかり後また伺ったら立派にできていたのを渡された。
 ~これを瑞典産ときく美しい石に彫り、明治を象徴する赤煉瓦の壁にはめこむという構想で谷口吉郎さんが設計された。~「根府川石」も忘れられなかった。~”
 
この記述だけでは判然としないが、“昭和二十九年七月九日は父の三十三回忌に当るので~「沙羅の木」の詩壁を建てることにした。”を素直に読めば、三十三回忌の前後に“詩壁”が建てられたと思われる。
 
だとすれば、今年は「沙羅の木」詩壁の設置六十周年に当たるではないか。これは、何としても「沙羅の木」を地元で歌っておきたいところだった。別の機会を狙おうかな。
 
なお、現在の鷗外記念館は一昨年に新築開館したもので、“詩壁”も勿論新品である。“瑞典産ときく美しい石”に彫られた詩碑は、そのまま移設されたに違いない。
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