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健在「常温核融合」~ 凝縮系核反応 ~ アメリカ特許

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夕刊一面の上段に黒地白抜きの大見出し≪北朝鮮、5回目の核実験≫という大ニュースの陰に、こんな話題を見付けた(長い報文を独断で要約する):
米で特許 再現成功で「常温核融合」、再評価が加速 2016/9/9 6:30 日経BP 
~「東北大学電子光理学研究センター」~20154月、同センターに「凝縮系核反応共同研究部門」が新設された。「凝縮集系核反応」とは、金属内のように原子や電子が多数、集積した状態で、元素が変換する現象を指す。
 
今の物理学の常識では、元素を持続的に変換させるには、1億℃以上のプラズマ状態の反応場が必要とされる~が、当初の目標に比べ、実用化は大幅に遅れている。
 凝縮集系核反応であれば、常温から数百℃という低温で元素が融合し、核種が変換する。~「実験を始めてまだ1年ほどですが、順調に熱が出ています」。同研究部門の岩村康弘特任教授は、温度を記録したノートを見ながらこう話す。
~ かつて、凝縮集系核反応は「常温核融合(コールドフュージョン)」と呼ばれた。19893月に米ユタ大学で、二人の研究者がこの現象を発表したが、~各国で一斉に追試が行われた結果、~1989年末までに否定的な見解を発表、日本でも経済産業省が立ち上げた検証プロジェクトの報告書で、1993年に「過剰熱を実証できない」との見解を示した。
 しかし、その可能性を信じる一部の研究者たちが地道に研究を続け、徐々にこの現象の再現性が高まってきた。2010年頃から、米国やイタリア、イスラエルなどに、エネルギー利用を目的としたベンチャー企業が次々と生まれている。日本では凝縮集系核反応、米国では「低エネルギー核反応」という呼び名で、再評価する動きが出てきた。
わずか1年で「過剰熱」を観測  ~「熱の発生」に関しても、日本の研究者が世界的な研究成果を挙げてきた。先駆者は北海道大学の研究者だった水野忠彦博士と大阪大学の荒田吉明名誉教授。現在、国内では、この二人の研究者が見いだした熱発生の手法を軸に実用化研究が活発化している。
~東北大学の岩村特任教授らは、まず、水野博士の考案した手法の再現実験に取り組み、順調に「過剰熱」を観測している。 ~「実験開始から1年足らずで、ここまで安定的に熱が出るとは、予想以上の成果。~再現性の高い元素変換の知見を熱発生にも応用できる」。岩村特任教授の表情は明るい。

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■ナノ構造が核反応を促進  一方、大阪大学の荒田名誉教授~は20085月、報道機関を前に大阪大学で公開実験を行った。その際の手法は、酸化ジルコニウム・パラジウム合金を格子状のナノ構造にし、その構造内に重水素ガスを吹き込むと、常温で過剰熱とヘリウムが発生する、というものだった。~荒田方式をベースに~300℃程度に加熱することで1カ月以上の長期間、過剰熱を発生させることに成功している。
 1989年に米ユタ大学で、常温核融合が耳目を集めた際、その手法は、パラジウムの電極を重水素の溶液中で電解するというものだった。その後の研究で、電解方式のほかに、重水素ガスを圧入する方法が見いだされ、再現性が高まっている。現在では、電解系よりもガス系の方が主流になっている。東北大~方式、~神戸大の荒田方式も、いずれもガス系の手法を発展させたものだ。~
定性的には100%の再現性を確立したなか、今後の研究ターゲットは、「発生する熱をいかに増やすか、そして重水素とパラジウムという高価な材料でなく、軽水素とニッケルなどよりコストの安い材料による反応系でいかに熱を発生させるかがポイント」~
 
米国で初めて特許が成立 ~ 米国特許庁は201511月、凝縮集系核反応に関する米研究者からの特許申請を初めて受理し、特許として成立させた。これまでは、現在の物理学では理論的に説明できない現象に関して、特許は認めていなかった。~
■日本とイタリアがリード  米国議会は20165月、凝縮集系核反応の現状を国家安全保障の観点から評価するよう、国防省に対して要請しており、「仮に凝縮集系核反応が実用に移行した場合、革命的なエネルギー生産と蓄エネルギーの技術になる」とし、「現在、日本とイタリアが主導しており、ロシア、中国、イスラエル、インドが開発資源を投入しつつある」との認識を示している。
 「常温核融合」から「凝縮集系核反応」に名前を変えても、依然としてこれらの研究分野を“似非科学”と見る研究者は多い。~現在の物理学で説明できないという弱みがある。~
 とはいえ、説明できる理論がまったく見えないわけではない。2つの元素間の反応ではなく、複数の元素が同時に関与して起こる「多体反応」による現象であることは、多くの理論研究者の共通認識になっている。金属内で電子や陽子が密集している中で、何らかの原理でクーロン斥力が遮蔽され、触媒的な効果を生んでいることなどが想像されている。
 東北大学では、熱発生の再現実験と並行して、こうした理論解明も進める方針だ。こうして、理論検討が進み、新しい物理理論が構築されれば、「革命的なエネルギー生産」の実用化はさらに早まりそうだ。 ≫
 
当管理人も、≪さくらの会≫の会報(2012年 3月9日)に埋め草として「常温核融合」の話題を載せたことがある:
 
≪3月23日 アメリカ・ユタ大学で常温核融合に成功(1989年)とされた日。最近の“超光速ニュートリノ”同様、測定ミスだったのか、意図的アドバルーンだったのか、謎のままのようである。ところが、今でも一部では「常温核融合」の研究が行われているらしい。例えば、

“ <荒田吉明・阪大名誉教授が常温核融合の公開実験に成功されました!

 文化勲章受章者で大阪大学名誉教授の荒田吉明先生が、本日2008/5/22(木)に固体内核融合(つまり常温核融合)の公開実験に成功されました。簡単に速報としてお伝えします。歴史的な成果といえます。”
因みに、ウィキペディアによれば、“荒田吉明(あらたよしあき、1924522 - )は、金属工学者大阪大学名誉教授日本学士院会員。工学博士1957年)(学位論文「鉄炭素系の炭化物」)。京都府生まれ。未解明だった熱加工特性を解明し、新しい溶接工学の体系を確立した。1995文化功労者2006文化勲章受章。高温学会会長。”(www5b.biglobe.ne.jp/sugi_m/page284.htm
先生の「常温核融合」研究が2006年よりも前に知れていたら、文化勲章は受章できただろうか。≫
 
フライシュマン教授とポンズ教授による“常温核融合に成功(1989年)”は否定され、論文も発表されておらず、一定の業績のある著名な科学者によるこの勇み足発表の真相は謎のままであるらしい。
 
それでも夢を追う人達や、万が一常温核融合があり得る場合の保険として提供される資金により、研究は続けられていることは感動ものである。純粋に科学的探究心からの研究もあるだろう。STAP細胞事件を思い出す。

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