武満徹没後二十年の節目に当たり、彼の歌曲を聴く機会が多かった。副都心の半年前の昼時コンサートでは、まとめて6曲聴いた(ソプラノ 内田智子~若手完璧歌手~バリトン 深...(1) 2016/2/23(火)):
A
4 めぐり逢い 荒木一郎/武満徹 [深瀬]
5 うたうだけ 谷川俊太郎/武満徹 [内田]
6 死んだ男の残したものは 谷川俊太郎/武満徹 [二重唱]
B
4 ぽつねん 谷川俊太郎/武満徹 [深瀬]
5 翼 詞・曲 武満徹 [内田]
6 小さな空 詞・曲 武満徹 [二重唱]
いずれも武満の歌曲集≪SONGS≫所収である。その歌曲集現物を手に取って観た。大きい(A4より一回り大きい)堅表紙の言わば豪華本である。全20曲のそれぞれに彩色絵(大竹伸朗画)のページが対応する。
「小さな空」のように素人にも取っ付きやすい歌もあれば、初っ端の「さようなら」のように臨時記号が多くて歌いにくそうなのもある。
そもそもこの曲集は出版が2000年で、武満の死後である。誰が選曲・編集したのか明記されていない(出版者である日本ショット株式会社と想定するのが相当か)。ピアノ伴奏譜は、武満自身が2曲で、残りはヘニング・ブラウエルとされている。
各曲に英語(17)など(フランス語、スペイン語、ドイツ語各1)外国語歌詞が併記されているのも編集の一環なのだろう。“世界のタケミツ”を演出したものか。諸外国で発売する前提での出版であったためか。
不思議な印象の残る歌曲集だ。
なお、武満(1930生)と大竹(1955生)は、同じ誕生日(10.08)という関係からか、親交があったとのことである。