公立の集会施設で催される“童謡・唱歌を歌いましょう”的な行事に参加して発声を忘れないように努めている今日この頃、講師のキャラクターが実に多様で興味が尽きない。思いつくままに分類してみた:
何も言わず只管歌わせるタイプ:事務局が進行係を務める。参加者は沢山の歌を歌えるので、大いに満足するのではないか。ただし、歌を味わうとか、美しく歌うとかに関心の有る人は幻滅するだろう。
曲ごとにその背景などを解説するタイプ:最も多いタイプ。薀蓄を傾ける人もいれば、歌本の注書きを受け売りする程度の人もいる。中には怪しげな珍説を披露する人も。例えば:
「海(まつばらとおく)」の歌詞2番中、“しるきあたり”とは、“知る、すなわち知っている所”という意味である、、、?
「琵琶湖周航の歌」のメロディーは、元は「羊の歌」だった、、、?
歌い方を丁寧に教えるタイプ:少数派。1曲1曲時間をかけて曲想表現を豊かにしようという芸術家肌の講師。冒頭の発声準備も怠らない。限られた時間内での曲数は当然に少ない。しかし、真面目に受講すれば、それなりの達成感は得られる。
(交差分類になるが)参加者を幼児扱いするタイプ:喋り方から察するに、幼稚園や保育所の教諭を長く務めた人ではないか。親しげな話しかけ振りは結構なのだが、ペースに乗せられると、こちらも文字通り“second childhood”に達したような受け答えをしてしまいそうだ。
(同)曲間のお喋りが快調で、参加者も釣り込まれ、いつ果てるとも知れない放談会に変じるに任せるタイプ:これは困る。お喋りを楽しみに集まるご老人もいらっしゃることは解るが、そのお楽しみは、会の後にして貰わないと、気の短い当方など、呆れて途中退場せざるを得ない。
この時期、学生さんの参加が目を引く。それも、(たまたま目撃した限りでのことだが)男性の方が多い。想像だが、学生さん達には、大学のカリキュラムの一環として、生涯教育や福祉事業の実習の意味があるのではないか。
参加老人にアンケートを取っている学生さん達もいた。一体何を調べているのだろう。当方も聴取されたかったが、残念ながら目を着けられなかった。