持ち物の整理が出来ない性分なので、同じ曲の楽譜を何回も図書館などでコピーすることがある。今回は、どこにでもありそうな「琵琶湖周航の歌」の巻。手許には合唱譜とメロディー譜があった。合唱譜には伴奏が付いている。
今回必要なのは、独唱(斉唱)用の伴奏譜であった。合唱譜を転用することは可能であるが、当然のように編曲が為されているので、そのままでは、施設訪問コンサートなどでお客さんに歌って頂くのには使いづらい。
伴奏付きの独唱(斉唱)譜など簡単に入手できるだろうと図書館で探索してみたところ、驚いたことに一つも見つけられなかった。悪夢を見ている気分だった。仕方なく、自宅のパソコンで諸方の蔵書検索に取り掛かった。
「琵琶湖周航の歌」自体は多数の歌集、曲集に収載されている。しかし、伴奏付きであることが検索結果で判るケースは少ない。結局、1冊だけ確実に“ピアノ譜”であることの判る歌集を借りて開いて見ると、文字通りピアノ・パートだけ、と言うかピアノ独奏用の楽譜であった。
改めてメロディーとピアノ伴奏との揃った楽譜を捜す気力も無く、“ピアノ譜”に歌詞を書き込むことにした。これが一筋縄にはいかない。ピアニストであれば雑作も無い作業だろうが、素人には骨の折れる仕事である。
幸い、メロディーが明瞭に読み取れる部分があり、先ずその部分を埋め、次にその近隣部分を埋めていくという、クロスワードパズル方式で何とか書き上げた。尤も、その結果が正しいかどうか、最終的には、実際にピアノを弾いて貰って、歌って見なければ判らない。