昨日は都の合唱祭を聴きに行く予定だったのだが、朝急に気が変わって、近場のささやかな<フォークソングひろば>という催しに出掛けた。今年に入って合唱活動を縮小整理したせいで、声を出す機会が大幅に減り、欲求不満気味だったところ、“ギター等の生演奏で、皆で歌いましょう”とのキャッチコピーに引っ掛かったようだ。
フォークソングなるジャンルには馴染んでいないのだが、遠慮なく声を出せるのであれば有難い。とにかく、どんな雰囲気なのか、一度覗いて見ようと思った次第だ。
いざ始まってみると、我が趣味とは大いに隔たっていることにガックリ。楽器はいわゆるエレキで、ヴォーカルもマイクを使い大音量で聴かせる流儀だ。更に、当然とも言えるが、馴染みの無い曲が多い。止めを刺されたのが、出演者のお喋りの長さだ。歌に関係の無い各自の日常生活の話題を延々と喋る。それをお客さん(二十余名)が喜んでいると決め付けた自信たっぷりのご様子で、要するに自己陶酔と自己顕示の合成と言ったところ。
早々に退散したくなったが、我慢して一応全部聴いてみようと覚悟を決めた。こうなると不思議に大音量も冗話も段々と気にならなくなるから不思議だ。心の半分が他事に占領されるからかも知れない。何とか1時間半ばかり椅子に掛けて大人しく聴き、時々歌ったりした。プログラムは大体次のようだった:
フォーク・デューオ(約30分) イムジン河、翼をください、カントリー・ロード、???
ロック・グループ(約1時間) 花嫁?、恋の季節、異邦人、北国の青い空、サウスライナー?、オーキュルロン?、二十二歳の別れ、思い出の渚、涙の太陽、、、、
(慣れない所為か、題名を明確に聞き取れない。)
大音量のロック演奏に合わせてお婆さん達が手拍子打ったりして喜んでいるのが意外だったが、故無き偏見かな。
一つ気が付いたことは、大音響の演奏と一緒に歌っていると、自分の音程が正しいのか外れているのか判らなくなることだ。修業が足りないのかも知れないが、要するに、普段は自分の声も耳から聴いており、それが重要な働きをしているのだろう。