またまた家人からの頼まれ仕事で某企業の株主総会に代理出席した。交通手段はバスの乗り継ぎを選んだので、雨降りの悪コンディションに鑑み早目に家を出たら、どちらのバスも待ち時間ゼロという奇跡的なタイミングで、会場では時間を持て余す始末。
典型的なシャンシャン総会で、事業報告など販促ビデオと見紛うようなものを13分間鑑賞し、直ぐに質疑が始まった。経営方針などに関わるような格調高い質問は無く、細かい技術的な話ばかりになりそうなので途中退席した。
相変らずの雨の中、またバスで副都心のランチタイムコンサートに向かった。バスは時間がかかるし、予測も幅を持たせなければならないが、路線網が充実していて便利だ。暇のある当方などにとっては使い勝手が良い:
第418回 300年前のイタリアと現在の日本
ソプラノ 和田友紀菜/バリトン 菅谷公博/ピアノ 松岡あさひ
Aプログラム12:05~
1 陽はすでにガンジス川から A.スカルラッティ [二重唱]
2 愛の喜び G.マルティーニ [菅谷]
3 すみれ A.スカルラッティ [和田]
4 アマリッリ G.カッチーニ [菅谷]
5 君が姿をめぐりて M.A.チェスティ [和田]
6 ふるみち 三木露風/大中恩 [菅谷]
7 思ひ出の山 浜野ふじ子/大中恩 [菅谷]
Bプログラム12:35~
1 さびしいカシの木 やなせたかし/木下牧子 [和田]
2 鴎 三好達治/木下牧子 [和田]
3 海と涙と私 やなせたかし/木下牧子 [二重唱]
4 おお優しの恋人よ W.グルック [和田]
5 聖らの乙女 F.ドゥランテ [菅谷]
6 私を泣かせて G.ヘンデル [二重唱]
7 いとしい私の恋人 G.ジョルダーニ [二重唱]
今を盛りのソプラノと元盛りのバリトンの組合せのようだった。これも案外イケルかも知れない。女性に花を持たせる意味でも。
和田は輝かしく力強い魅力的な声を持っている。しかし、当方の聴きたかった高音は、あまり
出さなかった。ソプラノにしては珍しい選曲だ。
選曲と言えば、懐かしい曲が今日は多かった。Bプロ5の「聖らの乙女」は、題名には全く覚えが無かったが、前奏が始まると、何か聞き覚えのあるような気がした。歌を聴けば、何の事は無い、まさに懐かしの“Vergin tutto amor”だった(三重唱~デビュー・コンサート~反省 2009/6/27(土))。
最後の2曲、Bプロ4(Lascia ch'io pianga),5(Caro mio ben)は、珍しくも二重唱、伴奏の松岡が特に二人の為に編曲したのだそうだ。楽譜が欲しいなあ。
お客さんは、開演時には空席があるほどだったが、いつの間にか立ち見の群れが出来ていた。
蛇足:Aプロ3(すみれ A.スカルラッティ)のProgram Note に“1964年、ナポリ初演のオペラ≪ピッロとデメートリオ≫の中のアリア”とある。些か不思議に思われたので、検索したところ、“1694年”の誤りであるらしいと判った。