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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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「孔雀鳳凰図」②~辻惟雄~岡田美術館

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昨日、若冲画贋作説の話題を扱った( 誤報~外為114円台前半~若冲「孔雀鳳凰図」)。専門家の間ではどのように論じられているのかと自問した。
 
常識的には、公的な美術館が若冲作として展示し、大マスコミもそのように扱っているのだから、「孔雀鳳凰図」は真作であるとの見方が主流であることは確かなのだ。その主流の中心に位置すると思われる方が『図書』5.2016に一文を寄せている:
 
≪伊藤若冲、ジョウ・プライス、そして私―――辻惟雄
 
若冲ブームという現象の起こりは、二〇〇〇年、という覚えやすい年に、京都国立博物館で催された「若冲 没後二〇〇年展」だった。~~~このブームが起きるかなり以前から、若冲に夢中な人間もわずかながらいた。
 
その一人は~ジョウ・プライス氏であり、もう一人ははばかりながら私こと辻惟雄である。若冲の第一発見者などと、不当に持ち上げられている私だが~~~
 
ジョウと私の強い勧めを受け、東京国立博物館で「若冲展」を企画~一九七一年に行われた。三〇年後の若冲ブームの導火線はこの時点火されたと思う。~~~
 
この四月二二日から~若冲展が東京都立美術館で開かれる。~~~ごく最近発見された、「動植綵絵」制作に入る直前の腕だめしの力作ともいうべき、岡田美術館の「孔雀鳳凰図双幅」が、美術雑誌「國華」に掲載されてから九〇年ぶりに初公開される。~~~≫
 
謙遜しつつも、若冲については第一人者であるとの自負の滲み出ている文章である。贋作説など歯牙にもかけぬ風情だ。
 
美術品の鑑定は、見る人の眼力、好み、立場などに左右される嫌いがあるが、近年は科学的調査方法も発達している。問題の「孔雀鳳凰図」には適用されたのだろうか。勿論、科学的調査で黒白の決着がつくと決まっている訳でもないが。

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