団子坂・観潮楼跡の森鷗外記念館で面白そうな講演会があり、申し込んでおいた。定員に達したようだ:
≪鴎外講座応用編「鴎外と音楽1」 日時:6月11日(土)11:00~12:30
講師:瀧井敬子氏(くらしき作陽大学特任教授、音楽学者) 参加費:無料 定員:45名
鴎外は留学先のドイツで数々のオペラを鑑賞しています。この体験は、帰国後の文筆活動に影響を与えます。
本講座では、シェッフェル作、オペラ「ゼッキンゲンのトランペット吹き」の「若きヴェルナーの別れの歌」が素材となった鴎外の漢詩「別離」(『於母影』に収録)に着目。音楽史家であり、音楽プロデューサーでもある瀧井敬子氏が、詩の成立の謎などについて音楽で読み解いていきます。
プロの歌手によるスペシャル企画!!
今回は、特別にオペラ「ゼッキンゲンのトランペット吹き」の「若きヴェルナーの別れの歌」をバリトン歌手・羽山晃生氏(二期会)が生で歌ってくださいます。
また、『独逸日記』にオペラ鑑賞体験として唯一記されているオペラ「ミカド」からアリアも披露くださいます。
現在はでは、非常に希少な2作品も鑑賞できる機会です。≫
瀧井先生の謦咳に接するのは、我が大合唱団時代、藝大とのコラボ事業の末席に連なった時以来、つまり、8年ぶりかな?随分貫禄を付けられたような、、、、。エネルギッシュな印象は相変わらずで御同慶の至り。
肝腎のお話の内容はさっぱり頭に入らなかったが、聴講者を話に引っ張り込もうとの多彩な仕掛けはお見事だった。講座を時空ツアーになぞらえ、ご自身はツアー・コンダクターとの設定、引率の目印の旗まで用意して随時注意喚起するという徹底ぶりだ。
率直に洩らされた:“コンダクターとしては、お客さんに居眠りされるのは困る”と。本題に入る時と重要な場面転換の時には、出席者に目を閉じて貰い、1~5カウントアップの合図と共に目を開けて貰う演出も。先生の得意技なのかな。
本日の助演者として、鷗外生誕150年記念にオペラ「ゼッキンゲンのトランペット吹き」を復活上演したグループの代表・和田さん(?)とバリトン・羽山晃生氏が最後に登場した。それぞれに今後の活動の予告・PRもされ、羽山氏が2曲歌った。
鷗外がドレスデンで観劇したというオペラ「ミカド」は、当欄で頻繁に引用する雑誌≪音楽界≫にもよく批評が載っている。褒めていたか、貶していたか覚えていないが。
記念館の沙羅の木に花が一輪咲いていた。ひょっとして、館側の細工?なんてことはないだろうな。
来週、鴎外講座応用編「鴎外と音楽2」が開かれる。