某自動車メーカーの燃費データ捏造事件がハッピーエンドを迎えつつあるようだ。事件発覚以来、当然の如く販売激減に見舞われ、企業存亡の危機に瀕したのだが、救世主出現でめでたしめでたし。
もともと財閥系列だから、グループの主要企業による安全ネットは張られている訳で、本当の意味での存亡の危機ではなかった。いささか緊張感に欠ける騒動だと言える。
それにしても、マスコミでは、買い手(消費者)や取引先への(金銭)補償に議論が集中しているようで、当局に提出するデータを捏造して10年とか20年とか消費者をも騙し続けてきたことについて、責任追及の議論が聞かれないのは腑に落ちない。
捏造データによって当局のお墨付きを得ていたとすれば、犯罪なのではないか。虚偽文書の行使とかなんとか。
ホテルに偽名で投宿すれば逮捕されることもあるという我が国の司法環境からすれば、某自動車メーカーにはどんな厳罰が下るかと思いきや、巨額の出資を以って救済しようという同業メーカーとの談合成就を政府首脳も祝福する有様だ。
尤も、捜査当局としては、逃げも隠れもしない被疑者をじっくり下調べしているのかも知れないから、素人が先走って杞憂するのは滑稽というものだ。
自動車関連では、エアバッグメーカーの欠陥製品騒ぎも未だ収束しない。当の企業が来期業績を黒字見込みで発表したというのも凄い。今後、回収コストが1兆円に上るかも知れないと報じられているのに、(ニュースの誤読でなければ)欠陥の原因が不明だから回収費用を見込んでいないと説明しているようだ。