昨日取り上げた(愛の喜び~マルティーニ~没後二百年 2016/3/29(火))近藤朔風訳詞「愛の快楽」について、念の為ネット検索したところ、その存在は既に1997-03-21日付の資料に記載されていることが判った:
「近藤朔風とその訳詞曲再考」 近藤朔風訳詞曲年表 大正2 年く1 9 1 31 3 4 歳
≪愛の快楽 M a r ti n i ②不明③P l a i si r d ‘a m o u r④音楽界1 月号⑤歓楽(うれしさ)夢と消えて⑥目次の訳詞者は近藤千穂子になっているo≫
楽譜、歌詞は掲載されていない。歌い出しが“歓楽(うれしさ)夢と消えて”と記されているが、原本では“歓楽”ではなく“歓喜”と表記されている。また、“目次の訳詞者は近藤千穂子になっている”点については、当方、迂闊にも見逃してしまった。“近藤朔風の作にしては稍物足りない印象”を受けたことを説明できるかもしれない。
当時≪音楽界≫誌には、記事相互間の齟齬、誤字・脱字など珍しくなく、編集体制の貧弱さは明らかである。主筆・山本正夫に全面的に依存していたこと、彼が病気療養を余儀なくされたことなどの事情があったようだ。
“近藤千穂子”名義の記事は、その頃の≪音楽界≫誌に頻繁に登場する。翻訳もので、音楽小説「第一ヴァイオリン」などというものもある。“近藤”姓は偶然ではなく、朔風の夫人であることが上記資料にも述べられている。
朔風は若死にした(1880 -1915)が、4歳年下の夫人は1949年に65歳で亡くなったそうである。“死亡時の姓は篠原で, 恐らく, 再婚していたのだろう”とのことである。