手許にピカピカの高校音楽教科書がある。A4判、黄色い表紙の右肩に赤字でON!①とあるだけだから、一見して音楽の教科書とは判らない。尤も、絵柄に気が付けば音楽書であると判るかも知れない。左肩に≪文部科学省検定済教科書 高等学校芸術科用(音楽I)≫と細密印刷されている。
版元の売り文句を覗いて見た:
さあ,SwitchON!
楽曲を多角的にとらえて「創造力をかきたてる」教科書ただ学ぶだけじゃない,ただ演奏するだけじゃない
新教材「ONGAKUをはじめよう」で,音楽を形づくる要素など基礎基本を,
教科書掲載の楽曲とリンクさせて「演奏しながら学べる」
創作領域を丁寧に,たっぷりと
創作は苦手な先生と生徒が多いからこそ,ページを増やし,プロセスをこまかく設定
音楽の根源的な楽しさを実感できる教材
リズムや言葉の面白さを実感できるボディ・パーカッション,ヴォイス・アンサンブル,
ハーモニーの美しさを簡単に味わえる輪唱の教材が充実
『ON!』の名前の由来は?
もちろん「音楽」[ONGAKU]の「ON」,「音」の「ON」。しかしそれだけではありません。授業の開始に“Switch on!”,ちょっと難しい課題にも “Go on!”,ほかにもいろいろ……。新しい教科書『ON!』で,生徒とともに楽しく音楽を奏でましょう!――“Play on!”
と言う具合に英語の素養も当然の前提としている風である。目次をみると、やはり英語が:
1 歌おう
Then and Now
●日本のポップ・シーン
翼をください[斉・2合] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・村井邦彦 12
やさしさに包まれたなら[斉・2合] ・・・・・・・・・・・・・・・・荒井由実 14
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Classics
●ヨーロッパの潮流
乾杯の歌 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・G.ヴェルディ 32
Voiche sapete(恋の悩み知る君は)・・・・・W.A.モーツァルト 34
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World
●日本の心
ソーラン節[歌+器楽] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・北海道民謡 50
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Chorus
〔輪唱・合唱の楽しみ〕
Vivala musica[3輪] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・M.プレトーリウス 66
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ここで当管理人はハタと思考停止に陥った。“Then and Now”とは何だ。“その時と今と”、“あの頃この頃”、“それぞれの時代に”とでも解するのか。よく解らない。
“now and then”という熟語がある。辞書によれば“時々、折々”という意味の副詞句である。
いずれにしても、Classics、World、Chorus と並列に置かれたThen and Nowの意味は?
頭が鈍ったかな。