金重明/著「13歳の娘に語るアルキメデスの無限小」(2016/2/13(土))に面白いクイズが載っていた。≪アリスのキャンディ≫と同様に、意外な正解に驚く。長さ1mのゴムひもに沿ってカタツムリが毎分1cmの速さで一方の端から他端に向かって進むのに対し、ゴムひもが毎分1mずつ(全体に)伸びるとしたら、カタツムリは他端に到達できるかという問いである。
ウィキペディアに同一内容の話題があるので、コピペする:
≪「ゴムひもの上の芋虫」("worm on therubber band")と呼ばれる逆理がある[2]。内容は「1メートルの(無限に伸びることができる)ゴムひもがある。
ひもの一端からもう一方の端に向かって芋虫が毎分1センチの速さでひもの上を這うものとする。ゴムひもは1分ごとに(正確には芋虫が1センチ這った直後に)一様に長さが1メートル引き伸ばされる。
すなわち、1分後に芋虫は始点から1センチ這っただけだが、実際は(ゴムひもが引き伸ばされたため)始点から2センチの位置にいることになる。2分後にはそこからさらに1センチしか這っていないにもかかわらず、実際は始点から4.5センチの位置にいる。
このようなプロセスを繰り返すとき、芋虫はひもの端まで到達できるだろうか」というものである。答えは、直観に反して「到達できる」である。
2. ^Graham, Ronald; Knuth,Donald E.; Patashnik, Oren (1989), ConcreteMathematics (2nd ed.), Addison-Wesley, pp. 258–264,ISBN 978-0-201-55802-9 .≫
芋虫が進む距離は調和級数(の和)で表わされ、それは無限大に発散するから、芋虫は≪いずれ≫ゴール出来るという結論になるらしい。ただし、「13歳の娘に語る~」によれば、それは宇宙の年齢よりも長い時間を要する計算になるらしい。つまり、数百億年か、もっとか。
調和級数が無限大に発散すると言っても、発散が遅いので途轍もない年数を要することになるのであるが、クイズの前提を緩和すればもう少し現実味のある話になりそうだ。例えば、芋虫の進行を毎分10cmに速めれば、当方の推定では、数十日のオーダーにまで劇的に短縮できるはずだ。