科学界は重力波の検出に成功のニュースで興奮しており、経済界は株価下落の連鎖反応におののき、エンタメ界は似非イクメン議員の辞職に喝采し、と話題潤沢な瞬間を迎えているが、それらのいずれにも無縁の当方は、またまた昼時コンサートにささやかな幸せを見出している。
きょうは、ソプラノ大網かおりがお目当てで、虎ノ門まで出向いた。彼女はいつ聴いても期待を裏切らない。澄明な声、的確な音程に支えられた歌唱力は、(身近に聴ける中で)当代随一の称号を捧げたい。
オペラ≪ミニョン≫からの「私はティタニア」で、見事なコロラトゥーラの技巧を聴かせた。こんな凄い歌手の歌声を無料で楽しめるのだから、日本も文化国家なのかなあ。森ビルさん有難う。
彼女と組んで出演する筈だったテノール鹿野浩史は急病とかで、代役はテノール○○○と紹介された。お名前は聞き取れなかった。素人の司会役なので、発音が無造作なためだ(ちなみに、「私はティタニア」も聞き取れなかった。)彼は、鹿野よりも出来の良いテノールだった。「帰れソレントヘ」の盛り上げ場面で危うくズッコケそうになったが、少し力んだのだろうか。今後に期待。