元日の投稿で、一高水泳部歌「狭霧はれゆくあかつきの」の原曲を探索しようと記した(旧制高校寮歌~舶来メロディー~原曲捜し 2016/1/1(金))。図書館が新年の業務を開始したので、先ず、寮歌の解説本に当たった。
グルック作曲のオペラ≪オルフェオとエウリディーチェ≫であることが直ぐに判った。これは予想通りだ。肝心なのは、長大なオペラのどの部分の楽曲であるかだ。
色々経緯はあるが、結局、第3幕第3場冒頭の第2ヴァイオリンの旋律を基にして加福均三氏が編曲したものらしいと判った。
さて、加福氏は何故この曲を知っていたのか、楽譜を如何にして入手したのかに興味が湧く。答のヒントは案外簡単に見付かった:
このオペラは日本人が最初に上演した本格的な歌劇として、日本洋楽史上においても記憶されるべき作品である。1903年(明治36年)の上演は東京音楽学校の学生や現・東京大学の学生等による自主公演で、学校のオーケストラは使えず、ラファエル・フォン・ケーベルがピアノ伴奏した。この時は乙骨三郎、近藤朔風、石倉小三郎等のチームが訳詩を担当し、日本語上演された。”(ウィキペディア)
この記述によるならば、加福は恐らくこの本邦初演に参加した一人だったのだ。彼はもともと西洋音楽の素養があり、既に寮歌の作曲に名を残していた。