一高寮歌「嗚呼玉杯に」は、今は短調で歌うが、元は長調だったという説があることを思い出し、手許の「全國大學專門學校高等學校校歌集」(神戸女学院同窓会の歌~that beautiful land~Sambika, 342 2014/2/18(火))を覗いたところ、確かにハ長調の数字譜で書かれている。
その長調のメロディーをハミングしていて、妙なことが起きた。途中で別の旧制高校寮歌に移行してしまうのだ。それは、四高寮歌「北の都に秋たけて」である。歌詞と共に再生する場合は混線しない。
そこで、両方のメロディーを比較してみた。「北の都に秋たけて」の楽譜は手許に無いので、記憶を頼りに階名譜に起こした。その結果、見事に楽譜の重なる箇所があり、そこで混線を来すことが判った。
りょくしゅにつ きの か げやーどし
ソーソラードラーラソーミーミレーミドー
わーれらーはたーちのーゆーめかーぞう
ミーソラードラーラソーミードレーミドー
(ドは上のド)
ピョンコ節でヨナ抜き節という共通項があるから、印象が似るのは寮歌の宿命かもしれないが、ここまで酷似すると、先行した方が影響力を持ったと見做しても不当とは言えないだろう。
ただし、我が記憶する「北の都に秋たけて」のメロディーが「嗚呼玉杯に」の影響を受けている可能性も否定できない。いずれ調べてみよう。