NHKみんなのうた「ウメボシジンセイ」(原詩 尋常小学読本巻五「うめぼし」、補作詞 大島亜佐子、作曲 櫻井映子、編曲 久 隆信)を当会でも初回放送(2011年12月-2012年01月)と同時に歌い始めて、早や4年になる。そして、NHKでもこの12-01月期に再放送するらしい。
それに合わせたわけでもないと思うが、朝日新聞夕刊に≪梅干をたどって≫が7回にわたって連載された(11/25~12/3)。梅干しの現時的話題を追い掛けた読み物だ。その第6回は「戦場になくてはならぬ?」と題して、小学読本の詩「うめぼし」から説き起こしている。
記事の取っ掛かりとしたのは、最後の2行だ:
“ましていくさのその時は、
なくてはならぬこのわたし”
明治以降、梅干は軍需品として生産量を増やしてきたという。陸軍で重宝されたことを象徴する「梅干主義」なる揶揄的表現が紹介されている。兵隊は、梅干しの握り飯で腹いっぱいにすればよい、日清・日露の戦争に勝ったのもそのお蔭だ、などという精神論を指すもので、ここでは“梅干”は否定的な語感である。
しかし、梅干の効用は今や科学的に実証されており、“無くてはならぬ”物である。商品としても日々工夫改良され、新商品も陸続登場する。アンズで造ったウメボシもあるそうだ。
連載初回は≪家庭でつくる全国梅干コンクール≫の取材記録。最終回は“さる年の梅は縁起が良いと聞く”で締められた。
“平安時代、村上天皇が疫病に苦しむ人々を梅を使って救い、また自らが病で倒れた時にも、梅によって克服したという言い伝えがあり、それが申年だったことから、申年の梅が薬として広まったという説があります。
また、天明の飢饉の時に、村上天皇の故事に習った紀州藩だけは、梅干によって死者がほとんど出なかったと言われ、その年がやはり申年でありこの年に漬けた梅だった、とも言われます。”
偶然だが、今日、梅干を買って帰った(BXマルシェ東北うまいものフェア)。
(梅干写真は他サイトから拝借)