昨日の教養講座≪建築博物教室第8回 植物のアーキテクチャ―――いのちを繋ぐ種子のかたち≫で、ひとつ奇異に感じたことがある。講師の高山先生が“シユウイカブ”と発音したことだ。漢字の別を強調するために通常とは異なる読み方をすることがある。例えば、「異株」を「異種」と区別するために。その場合でも、2度目からは誤解の惧れが無いので、本来の読みに戻すのが普通である。高山先生は終始“イカブ”で通された。
“シユウイシュ”と覚えてほぼ六十年、初めて“イカブ”に出会って如何に驚いたか、ご想像頂けるだろう。素人の発音であれば、それは無知の為せる業であると片付けるだろうが、相手は植物学の専門家だ。当方が自信喪失したとて不思議は無い。レクチャー後の質問に立った年輩の方が、同じ様に“シユウイカブ”と明瞭に発音していたことで、止めを刺された気分だった。
どうにも腑に落ちないので、ネット検索した。読み方は“シユウイシュ”としか記されていない。そうなると、考えられるのは、言わば業界ジャーゴンとして“シユウイカブ”がまかり通っている可能性だ。業界人に訊いてみれば直ぐに判ることだ。昨日ご本人に質問すればよかったのだが、あまりの驚きと自信喪失で、その気力が湧かなかった。
と、ここまで書いて、ハタと気が付いた。“シユウイカブ”をググってみればよいではないかと。その結果、実用例が見付かった。多くは無いが、専門性の有るサイトにも見受けられた。例えば、≪勝山物語(巨木めぐり) | おいでねんせカッチャマ≫、≪ふくいの巨木:6≫、≪講演 - 東京都青果物商業協同組合のホームページ『八百屋へ行 ...≫などである。
さて、“シユウイカブ”は、どの程度認知されているのだろう。
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