第2節は“十五夜お月さん 妹は 田舎へ貰られて ゆきました”と歌うのが普通になっている。
しかし、“貰られて”には随分抵抗がある。変な日本語だ。この歌でしか使われない。有名な歌であるだけに、この表現が由緒正しい日本語であるかのように思われかねない。
と以前から気になっていたところ、この「第二 私達の唱歌」では、“もらはれて”と明記しているではないか。歌い方は、“もーらーわれてー”とされている。諸々の資料により、原典では“貰られて”となっていることが判っている。
この歌集の出版は、「十五夜お月さん」発表の16年後で、さほど時間が経ってはいない。やはり“貰られて”に抵抗を感じる人がいたのだと思われる。