数年前から名前が判らず気になっていた木の正体が漸く判明した。赤いグミのような実がぶら下がっているので、サンシュユと判った。葉の外見からミズキの仲間ではないかと思っていたが、それだけで樹名の見当が付くほど自信は無かった。
それにしても、花の記憶が全く無いというのも情けない。散歩がてら植物を愛でるだけの素人だから気にすることは無いか。
ところで、ある人にサンシュユの話をしたら、民謡(稗搗き節)の“にわのさんしゅーのーきーいーいーい”はサンシュユだとのたまわれた。眉唾とは思ったが、検索した結果によれば、世間にはそのように信じている人もいるらしい。何しろ、発音が似ている。
ギンナンの盛りも過ぎて、路面の汚れが取れ出す頃、替わって主役になるのは各種のドングリだ。当方が確信を持って見分けられるのはマテバシイ、スダジイぐらいで、次いでウバメガシもほぼ見当が付く程度。クヌギ、アベマキの実が大きく見栄えもするらしいとは図鑑で仕入れた知識で、実見したことは無い。
何でも直ぐに試食したがる性癖で、スダジイは二十年以上も前から食しているものの、他は子供の頃からの先入観の所為でついぞ手を出しかねていた。今日、ウバメガシらしきドングリを思い切って食べてみた。