“日本よい国”なんて言葉が最近流行ったような気がするが、記憶がぼやけていて思い出せない。
それこそ最近話題にした「国民歌謡 名曲集 1」(昭和16年)に、「日本よい国」が収録されている。それも、2曲、同名異曲が12番(作詞・作曲:中央教化団体連合会、小田進吾編曲),13番(今中楓渓作詞、服部良一作曲)と仲よく並んでいる。
12 “日本よい国 東の空に 昇る朝日は 日の御旗々々
大和心を 一つに染めて いつもほのほの 夜があける ~”
13 “日本よい国み神の国よ 何を荒波いはほは不動 どんとうつ波さつとうち返す
意気だ豪気だ久遠の国だ こゝに日が照る月も照る ~”
どちらも聞いたことの無い歌だが、検索してみると、13番の方は国民歌謡最初期の歌で、奥田良三が歌ったと言及されている。多分12番もほぼ同じ頃に放送されたものだろう。松原操の吹き込んだレコード音源がネットで聴ける。奥田の音源はヒットしなかった。
加えて第3の「日本よい国」があるらしいことも判った。井口小夜子/キング管絃楽団の演奏で、大日本雄辮會講談社の発売したレコードの記録が見付かった。作詞は川路柳虹、作曲は佐藤長助となっている。発売の時期などは不明。
愛国心を振りかざす動きと「日本よい国」とは相性がよいのか?