何時の間にか梅雨が明けた、と思って暑がっていると時々土砂降りの日々、晴雨兼用の折り畳み傘が手離せない。街中の自然観察も疎かになりがちで、季節の移ろいにはっと気付くと、ツバキの実が大きくなり、赤褐色を帯びて来ている。
落果でその存在を初めて知るのは、雅な沙羅の木ばかりでなく、イヌビワなどと貶められた木もある。ビワと呼ばれるけれども、見た目は小さなイチジクの観がある。齧って見ると、命名の妥当性が解る。
雀の子をよく見掛ける。春の季語とされているそうだが、この頃でも珍しくはない。何故雀の“子”と判るのかと鋭い質問を浴びせられてドギマギすることがあった。
小振りであり、色が薄く、警戒心も薄いから、子供だと知れる、などと出まかせを言って急場を凌いだ。正しい答えだったのかどうか、未だに自信は無い。
雀の子がよちよち舗道を歩いているのを見ると、都会にも結構、自然が残されているものだと実感する。と言っても、大学構内だから、都会に一般化するのは無理か。