数字遊びが好き、数字の中でも素数が好き、と自認する当方の目に飛び込んだ書評に手も無く誘惑されて借り受け申し込みをした本:
竹内薫/著「素数はなぜ人を惹きつけるのか」(朝日新聞出版 2015.2)
“2、3、5、7と現れたかと思えば次は11。出没が気まぐれで、ミステリアス-。多くの数学者たちを魅了してやまない素数を、さまざまなエピソードや、あえて載せた数式とともに、文系にもわかりやすく解説する。”
確かに宣伝文句通り、わかりやすかった。不思議な公式などの復習も面白かった。かと言って、何もかも理解できるという訳でもない、難しい数式も程々に散りばめられて、数学好きの自尊心をくすぐるように編集されている。
素数表を眺めていて、隣り合う素数の差が2,4,6,8、、、など小さい数値であるうちは、その出現頻度を無意識に比較する。ある区間で、その差が6である頻度が飛びぬけて多いことに興味を持っていたのだが、本書に、「セクシー素数」として紹介されている。
「セクシー素数」は英語の“ sexyprimes ”で、sex はラテン語で6の意味だと解説されている。当方は、“隣り合った素数で差が6”の場合だけしか頭に無かったのだが、業界では、2素数の間に別の素数が挟まっている場合も含めて定義しているらしい。
とにかく、素数の出現間隔や頻度には規則性が無いそうだから、隣接2素数の差が均等に分布しないということ(上記6の場合のように)は、まさにその無規則性の現れなのだ。特に興味を惹くべきことではないのだ。しかし、何か特殊事情(法則)があるのではないかと胸ときめかせるのが、原始人の素朴さだ。
本書でもミスプリに暫し惑わされた。
≪あとがき≫の更にあとに、“万が一、~~誤植を発見~~までご連絡ください。重版時に訂正~”とある。ミスプリは既に把握されているだろう。それにしても、“重版”は当然のことと想定されているのだな。