十日ほど前に取り上げた「数学理性の音楽 自然と社会を貫く数学」(甲子朔旦冬至~1520年周期~1140年周期 2015/7/8(水))を明日返却しなければならない。読み進む時間が無かったので、物理学と数学との持ちつ持たれつの関係をかなり念入りに解説している部分から、気に入った記述事項をメモして記念としよう。
“ニュートンやライプニッツの微積分が力学を扱った17~18世紀は「力学の世紀」、偏微分方程式によって多変数の対象を扱うようになった19世紀は「場の世紀」、そして20世紀は、代数学とか幾何学とか(抽象概念のようなもの)が実際の現象を解析する道具として使われるようになった。
アインシュタインは1905年に三つの大きな仕事をした。相対論、ブラウン運動、光量子仮説である。数学的な側面から見ると、ブラウン運動は解析学、光量子仮説は代数学、相対論は幾何学に対応する。
数学は物理学の道具として無くてはならない働きをしてきたが、物理学研究の結果から新しい数学が生れたり、純粋数学の命題に対応する物理現象が発見されたりという互恵関係が見えてきた。”
ところで、この種の啓蒙書を読むに当たり、数学にあまり自信の無い読者にとっては、単純なミスプリ一つでも大変な障碍になることを、著者および出版者は肝に銘じてほしい。ミスプリの有ることを前提にして読んではいないので、時に、辻褄合わせの読み方を模索するのに多大の時間と労力を消費するのだ。それが無駄な努力だったと悟った時、ドッと疲れが、、、。