トロンボーンのリサイタルを聴いた:
東京文化会館 モーニングコンサートVol.87 東川暁洋(Tb)
W.ゴールドスタイン:トロンボーンと吹奏楽のための「対話」
J.G.モーティマー:プレリュードとダンス
S.ストヨフスキ:幻想曲
H.フィルモア:ラッサス・トロンボーン
サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」より“白鳥”
F.クライスラー:愛の喜び
アイルランド民謡:ロンドンデリー・エア
(アンコール) マスカーニ:≪カヴァレリア・ルスティカーナ≫間奏曲
トロンボーンは、偶々5月にも一度聴いたが、近くで見ると、改めて大きいと思う。管を伸ばすと人の背丈ほどある。ラッパの開口部も大きい。重さは如何ほどか?
吹奏中に管内に水滴が溜るので、曲間に排水していた。そんな仕草や、PETボトルを持参して足許に置き、時々喉を潤すステージマナーが親しみ易さを醸し出し、聴衆の好感を博したようだ。
プログラムは、素人目にも、馴染みの薄い曲、重い曲を始めに置き、段々と聴き易い曲へと移っていく構成である。何とご本人がその通りのことをトークで明かしていた。
トロンボーンの奏法も簡単に紹介してくれて、管を伸ばせば音が低くなると当然の如く説明されたのだが、実際の演奏を見ていると、伸ばせば低くなり、縮めれば高くなるという単純な対応は無かった。音の高低には、管の長短以外の要素もあるのだろう。
音の発生源は唇の振動であると言って、実際に唇を震わせる音を出して聴かせてくれた。これは、本コンサート一番の驚きだった。
一応、曲目解説はあったのだが、「H.フィルモア:ラッサス・トロンボーン」の“ラッサス”とは何か?聞き洩らした。あるいは、何も説明しなかったのか。音楽用語か、固有名詞か?ネット検索は不首尾に終わり、目下、意味不明である。