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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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アッツ島~軍事的価値無し~難しい日本語

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平山周吉「戦争画リターンズ 藤田嗣治とアッツ島の花々」(芸術新聞社 2015.4.20)によれば、日本軍によるアッツ島占領作戦は、軍事的には始めから無意味だと解っていたらしい。

つまり、アッツ島を態々攻略する価値は無かったということだ。アメリカ軍も同島を重視していないことは解っていたらしい。それが、大元帥陛下への北方作戦の奏上の直前になって、軍の最高首脳の思いつきか何かで突然に紛れ込んだという。
 
そのようなことは、戦史に関心のある人達には周知の事らしいが、当管理人には初耳だった。もともと無謀だったと思われる戦争のなかの、そのまた無価値な軍事行動に、二千余名の兵士と共に巻き込まれた叔父は、何とも儚い一生で、気の毒の限りだ。未だ三十前の新婚さんだった筈だ。
 
既に何度も呟いたことだが、敵に降伏することを潔しとせず、自決あるいは玉砕する道を選ぶ頭の中が理解できない。“お国に尽くす”べしと教えられているのなら、敗戦後にお国の復興のために御奉公しようと言う気にはならないのだろうか。

洗脳されていたと言ってしまえばそれまでだが。平和ボケと一部から批判される現代の状況の中で考えてみても、それこそ無意味なのだろう。
 
ところで、頭記平山の著書の中でどうにも理解できなかった文章がある。少し長いが、後学の為に引用しておこう:
 
“杉山吉良が『北限の花』の中で、一緒にアッツ島へ行こうと誓い合っていた花の先生、北大の舘脇操、そして『アリューシャン戦記』の中で、アッツ島の戦場から戻った後に読み、アッツ島の植物が「世界の植物学者の垂涎の的の地」であると知ったハッチスンの『アリューシャン探検』、そのいずれをも陸軍はあらかじめ読み、その上でアッツ島攻略作戦を練っていたというのである。”
 

個々の言葉の意味は明白で疑問は無いが、文全体の構造が把握できない。“アッツ島の植物が「世界の植物学者の垂涎の的の地」である”も変だが、これは筆が滑ったものと理解できる。

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