北国の《さくらの会》が6月に予定している病院ロビーコンサートの演目に「ねむの木の子守歌」がある。言わずと知れた、美智子皇后陛下作詞・山本正美作曲の穏やかな子守歌だ。歌詞は次のように流布されている:
ねんねの ねむの木 眠りの木
そっとゆすった その枝に
遠い昔の 夜(よ)の調べ
ねんねの ねむの木 子守歌
薄紅(うすくれない)の 花の咲く
ねむの木蔭(こかげ)で ふと聞いた
小さなささやき ねむの声
ねんね ねんねと 歌ってた
故里(ふるさと)の夜(よ)の ねむの木は
今日も歌って いるでしょか
あの日の夜(よる)の ささやきを
ねむの木 ねんねの木 子守歌
「夜」の字を「よ」と「よる」の二通りに読み分けている。当管理人的には、「よ」と読ませる必然性は無いのだが、原作詩者の意図、指示によるものだろうか。特に、“遠い昔の 夜(よ)の調べ”には違和感が強い。
“とおいむかしの よのしらべ”と耳から入れば、“遠い昔の 世(あるいは、代)の調べ”と思うのが普通だろう。“遠い昔の 夜(よる)の調べ”で何の不都合も無いと思われる。“夜(よ)”に拘ったのは、七・五調のリズムを崩したくないと言う気持からだろうか。
俳句にも字足らずや字余りという破格があり、一見読みづらそうな句でも、四・四あるいは八・八のリズムに載せれば難無くスムーズに朗詠できるので、字数にあまり神経質になる必要は無いというのが結論である。特に歌唱においては譜割りによって相当自由に調整する事が出来る。
字数に拘る美意識も尊重しなければならないが、メロディーに乗せて歌唱される場合には、字数ルールよりも、聞いて解る言葉づかいに重きを置いてよいのではないだろうか。
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