今日の日経朝刊の記事に引っ掛かりを感じた:
“鉄道運賃・料金の変更認可の申請をお願い致します”という口上を述べる人は、どういう立場にあると考えられるか。
申請をするように勧める趣旨だから、申請する立場の人とは考えられないと思うが、どうだろう。記事によれば、鉄道会社の役員が運輸局を訪れて申請書を提出した際の口上である。
つまり、認可を受ける立場の者が、認可をする立場の者に“認可の申請を”お願いしたというのだ。当方の言語感覚が狂っていないとすれば、“認可をお願い”するのが筋ではないか。
記者の作文ミスだろうか。それとも、今ではこのような言い方をするのだろうか。なんだか自信を無くしそうだ。
ご丁寧に、もう1件、引っ掛かりのある表現に出会ってしまった。短いエッセーの欄に“難工事の立役者”と表題が付されていた。
“○○の立役者”と言う場合、“立役者”は重要な働きをしたとか、中心となったとか、プラス評価のニュアンスがある。○○に入るのは、それに見合う成果、事業など、やはりプラスのイメージを伴うものではないだろうか。
“難工事”がそのような概念に当て嵌まるだろうか。工事に伴う難儀、困難が連想されて、マイナス・イメージが強いのではないだろうか。
尤も、“難工事”を、“立役者”と齟齬を生じないように解釈することは出来るかも知れない。“大変な困難を克服して完成させた工事”というように。“申請をお願いする”よりは、全うか。