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Channel: 愛唱会きらくジャーナル
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近藤滋~チューリング波~リーゼガング現象

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某紙のべた褒め書評に釣られて図書館に予約し、かなり待って、近藤滋「波紋と螺旋とフィボナッチ: 数理の眼鏡でみえてくる生命の形の神秘」を途中まで読んだ。返却期限が迫ったので、後半は飛ばし読みだった。
 
正直なところ、評判ほどには面白くなかった。面白く読ませようとする著者の意気込みは痛いほど伝わるが、上滑りの感もあった。科学史上の逸話など散りばめられていて、決して退屈な本とは言えないが、当方の関心の的に当たらなかったようだ。
 
ただし、一つだけ特別に興味を惹く話題があった。「チューリング波」という聞き馴れない言葉に集約される。安直だが、ウィキペディアから関係記事を転載する:
 
2変数の連立偏微分方程式を考える。~~~このような形の方程式は一般に反応拡散方程式と呼ばれる。チューリングは1952年、2つの拡散係数が大きく異なり反応項~~が一定の条件を満たすとき、上記の方程式系で空間的パターンが自発的に生じることを証明した。このような自発的パターン形成は特定の波数の不安定化が原因であるがこの不安定性を拡散誘導不安定(もしくはチューリング不安定)と呼ぶ。
チューリングの関心はこの方程式系を用いて生物の形態形成を説明することにあったが、長らく生物学に影響を与えなかった。しかし1995年に近藤滋によってタテジマキンチャクダイの体表面の模様がチューリングパターンであることが実験的に確認されるなど、近年再評価されている。
 
当方が未だ化学者になる夢を抱いていたほぼ55年前、“リーゼガング現象”なるものに入れ込み、そのきれいな波紋発生に見惚れていたことを思い出したのだ。再度ウィキペディアから:
 
リーゼガング現象(リーゼガングげんしょう、Liesegang phenomenon)は、ゲル化した電解質溶液に、その電解質と混合すると沈殿を生じる別の電解質溶液を接触させると、ゲル中に沈殿が規則的な縞模様を描いて生成する現象である。
 
当時、何やら難しそうな数式の並んだ論文のコピーを先生から見せられたことを思い出す。勿論、高校生の手におえるものではない。ネット検索してみると、この現象の発生メカニズムは未解明らしい。チューリング理論で扱えるものではないようだ。
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