昨日も取り上げた「第二 私達の唱歌」には、ヘンデルの「ラルゴ」(Ombra mai fù)や山田耕筰の「鐘が鳴ります」「かやの木山」など、今の感覚では“歌曲”の範疇に含めるような歌が少なからず収載されている。
思うに、“唱歌”の概念が当時は広かったのだ。我々は、“童謡・唱歌”と一括りにするように、“唱歌”と言うと、“小学唱歌”に代表される“学校唱歌”を思い浮かべる。“歌曲”と言えば“クラシック歌曲”を思う。
このように用語感覚が八十年前とは相当変わってきている。という訳で、本書には、童謡から、唱歌、歌曲、軍歌、寮歌、(外国の)国歌まで、幅広いジャンルの歌が収められている。
「私達の唱歌」は「愛唱歌集」なのだ。
沖の鷗に
沖の鷗に
潮どききけば
ノウエ
わたしゃ立つ鳥
ヤツコラサノサ
トコヤントコセイ
波にきけ
バイトコズイズイ
わたしゃ立つ鳥
ヤツコラサノサ
トコヤントコセイ
波にきけ
バイトコズイズイ