日経朝刊の文化欄に次のような記事があった:
歌えば現るチェコの恋・酒伝統のモラヴィア民謡、心を揺さぶる語感とメロディー出井則太郎[有料会員限定]
筆者・出井則太郎氏は“チェコ音楽の伝道師として、日本人でただ一人、モラヴィア民謡を唄い演奏活動している。チェコビールとモラヴィアワインをこよなく愛す”る人であると言う。
日経文化欄は、世界各地の民族音楽にのめり込んだ人を時々紹介するようだ。
チェコに音楽留学して最初に出会ったモラヴィア民謡「愛しき白ワイン」に感銘を受けた。何よりも、チェコの人々の生活に根付いた歌だと感じた、と言う。
“酒場やレストランに行けば、いつの間にか人々が民謡を歌い始め、陽気な即席演奏会が始まる。モラヴィアの人は心から音楽を愛している。知識や技よりも楽しむことを優先する彼らの姿は、僕に音楽の原点を思い出させてくれた。”
ほぼ時を同じくして、チェコの人の音楽性についての感想を《婦人之友》4月号に見た。チェリスト・堤剛氏がヴァイオリニスト・黒沼ユリ子氏との対談で、チェコのヴァイオリニストであるヨゼフ・スークの次の言葉を紹介している:
“チェコの人にとって、音楽をすることは、生きること。チェコ人は生きている喜びを音楽で表わす。”
ちなみに、黒沼氏もチェコに音楽留学しているとのことだ。
鑑賞する音楽は溢れているが、音楽が生活に根付いているとは言えない我が環境が、ちと寂しい。尤も、アルコールを嗜むことが先決なのかな。