きょうは《入場料:500円(当日券のみ)》で充実した『室 内 楽』コンサートを聴いた:
1 矢代秋雄: 2本のフルートとピアノのためのソナタ
2 メンデルスゾーン: 弦楽四重奏曲 ヘ短調 作品80
3 ラヴェル: 弦楽四重奏曲 ヘ長調
4 メシアン:世の終わりのための四重奏曲
始めと終わりが現代音楽で、中にクラシック2曲を挟む形式だった。現代音楽は好きになれないが、あの難しい曲を弾きこなす腕前に感歎しつつ聴いていると、案外時間の経つのを忘れることもある。
《2 メンデルスゾーン》は、早世した姉への鎮魂の曲だとのことで、確かにそういう印象であった。彼自身もこれを作曲した半年後に亡くなったとのことで、辞世の曲?らしい。
《3 ラヴェル》を聴いていると、何やら軋むような音がした。一過性かと思ったが、間歇的に聞こえてきた。それもステージの方から。奏者の一人の椅子が軋み音を立てているものと判った。聴く方には勿論耳障りだが、弾く人が可哀想になった。そのような椅子を置いたスタッフの不注意だ。
最前列の熱心なお客さんが曲後に注意していた。にも拘らず、次の《4 メシアン》のチューニング中にやはり軋みが聞こえて来て、今度は曲前に苦情が出た。再度椅子を交換して漸く演奏開始となった。前代未聞のハプニング?
鑑賞力の無い当管理人は、この50分余りを要する大曲の演奏中、貧乏ゆすりや、エコノミー症候群予防の膝運動など、落ち着きなかったのだが、隣の中年のご婦人は、背筋を真っ直ぐ伸ばし、身じろぎもせず終始ステージを凝視し、耳を傾けている様子だった。馬齢を重ねて修業の足りない我が身を恥じた今日のコンサートだった。