昨日は“カラス vs. ハト”事件に加えて、別の出来事があった。昼食後、バス停で次の発車時間を確認し、7,8分も先になるので地下鉄まで歩き出したその時、呼び止められた。
乳酸飲料を売り歩く人を思わせる風体の女性であった。商品はお菓子(スイーツ)。路上で当たりを付けた相手に声を掛けて言葉巧みに購入行動に誘い込む商法である。
そんな商法で商売になる(利益を出せる)のかと不思議に思ったのと、その売り子さんが数日前、同じように人に声を掛けるところを目撃していたこともあり、若干の質疑の後、和生菓子を買った。
京都でしか売っていない“京都の塩大福”との触れ込みだった。いわゆる衝動買いで、無駄な出費だから、元日の誓い(無駄を減らしつつ~)に反する。
そんなこんなで数分経過したから、バスがちょうど来るころではないかと戻ってきたら、何と、その売り子さんは別のカモを引っ掛けていた。やはりバス待ち客だった。彼女は闇雲に誰にでも声を掛けていたのではなかった。ちゃんと計算していたのだ。
そう言えば、ある賑やかな交差点近くのバス停で、いつも飲料売りの姿を見掛けて、その謎解きをしていたことがあった。偶然にその売り子さんを見掛けたに過ぎないと言うには頻繁過ぎたのだ。
結局、その場所、その時間に意味があったのだ。単純そうに見える世界にも、それなりの調査、研究があるのだと思い知った。甘く見てはいけない。
ところで、見事に買わされた“京都の塩大福”は、3個パック、1個は赤色、2個は白色だ。色素に敏感な家人の癖に感染しているので、パック裏の原材料表示を確認したところ、「赤102」と明記してあった。
禁止すべきであるとの意見もある人工色素だ。隠さずに申告していることは評価できるが、京都の和生菓子のイメージが急に崩れ落ちた。更に、“京都 みやこ大福”と名札が付いているものの、販売者は滋賀県の業者となっている。製造者の表記は無い。
これで、昨日の衝動買いは、完全に手玉に取られた結果と見做さざるを得ない。売り子さんの身元確認のためにと貰っておいたチラシには、“食品添加物を多く含まない、安心して食べて頂ける商品のご紹介に努めております”などと美辞麗句が連ねられている。
その会社は、各地から見繕った商品を取り寄せて売り子さんたちに路上販売をさせている。その商品“京都の塩大福”の卸元も、“和菓子全般を販売する総合商社”だそうだ。