税務署で確定申告を済ませた。一年で最も憂鬱な行事だ。実際には取られ過ぎた所得税を返して貰うのが普通だから嬉しくてもよさそうなものだが、手続きの面倒臭さが勝る。過去の関係書類がきっちり揃っていなければ計算できないし、申告書提出も受け付けて貰えない。
社会保険料の年額は会計年度で通知されるが、確定申告は暦年計算を要求するから、過去2か年分の記録を参照しなければならない。結局、現在進行中のものを含めて、常時3か年分の記録を整備していなければならない。
税務署の申告会場には多数のパソコンが用意され、助言者も、アルバイトを含めて相当の人数が詰めているので、書類を揃えて持参すれば、小一時間で用は済む。今日は偶々3.11東日本大震災記念日で、しかもパソコン入力中に発生時刻となり、“一分間の黙祷”を促された。日本中で行われたのかな。
ところで、この会場では毎年汗を掻く。難解な手続きに悪戦苦闘するからではない。暖房を効かせ過ぎるのだ。納税者さまにサービスの積りだろうが、過ぎたるは及ばざるが如し。税金の無駄遣いでもある。
なぜ確定申告などと面倒臭い制度があるのかという不満ないし疑問があちこちから聞こえる。恐らくは課税の公平性を担保することを目的とするのだろう。課税対象取引の総てについて源泉徴収が行われるわけでは無いから、関係者の正直な申告が求められることになる。
源泉徴収が行われていても、総合課税原則に則るとすれば、整理期間(通常は1年)を通じた合算処理も必要だ。行政側とすれば、取りっぱぐれを少なくするため、源泉徴収を多めにしているだろうから、一般納税者は確定申告して還付を受けるケースが多いだろう。
という訳で、僅かばかりの還付金を頂戴するために面倒を我慢して税務署に出向くように仕組まれているのだ。時には、期待に反して追徴を受ける羽目になることもある。