極寒に耐える動物は面白い話題だ。凍結した魚を叩き割れば死ぬが、そっと解凍してやればまた泳ぎ出すというような話を昔聞いて感心したものだ。最近も、クマムシとかヌマエラビルなどという最強の生物(動物)が関心を呼んだ。
一方、植物は寒さに強くて当たり前と思われるのか、あまり話題にならないような気がする。しかし、園芸方面では、冬の寒さ対策が大切な心得であるようだし、実際、当管理人は北国時代に虎の子のアデスガタ(ピンク花)を一夜にして凍死させた苦い思い出がある。
植物の耐寒性(凍結回避)について、館野正樹教授(植物生態学)が解り易く書いている。《縮む細胞》と題し、UP(2015.2)に久保亮五先生(統計力学)に絡ませて説くには、細胞内部の水を減らしてドロドロにして凍結を防ぎ、極寒に耐えるのだそうだ。
問題は、どうやって内部の水を減らすのかだ。それは細胞外凍結だと言う。気温が氷点下に下がると、植物細胞の外側を覆う細胞壁などの水(真水に近い)が先ず凍る。内部の水は物質が溶け込んでいるので未だ凍らない。更に気温が下がると、内部の水が外側の氷に引き付けられて外に出て凍る。内部はますますドロドロになり、凍りにくくなる。かくて、シベリアのような極寒の地でも植物は生きられるのだそうだ。
アデスガタなど、寒さに弱い植物には、にはそのような耐凍結性が備わっていないということか。
ところで、久保亮五先生との関係は、気温がマイナス10℃の時、細胞は通常の十分の一ほどに縮むが、これは統計力学で理論的に求められることと、某大事件(代筆事件)などであるが、詳細は不明である。