月に一回、童謡・唱歌を大勢で歌う某団体のテキストに「麦の唄」という楽譜(メロディーのみの簡易譜)が掲載されていた。簡単そうなので目で追って行ったのだが、頻繁に転調するうちに音程を見失ってしまった。
随分歌いにくい変な歌という印象で、普通の人達の斉唱用教材に取り上げられているのは不思議に思われた。これをあるグループの集りに持って行って見せたところ、皆さん“ああ、これ”と言う風に難なく歌うではないか。知らないのは当管理人だけのようだった。
聞けば、この歌は某国策TVの朝の連続ドラマの主題曲で、国民的人気曲だという。そこで、いつぞや家人が収録して聴かせてくれた歌を“なんか変な調子っぱずれの歌だなあ”と評してご機嫌を損ねたことを思い出した。
人が気に入っているものをけなすようなことを口にしてはいけないのだ。正直も時によりけり。
改めて歌詞を読んでみた。麦が実って風に飛ばされたりして、異郷で芽を吹き、また実を着けることを歌っていると思った。様々な困難に遭いながらも、未来を信じて生きる人々を、植物の力強い生殖サイクル(麦は踏まれても、、、)に譬えているのだろう。
その後、弾き歌いを何回か聴くうちに“変な歌”の印象は薄れて行った。