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英断?~計算?~燃料電池車特許公開

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個人的にインパクトのあったニュース:
 
トヨタ、燃料電池車の全特許5680件を無償公開 2015/1/6 13:46 日経
 
トヨタ自動車は5日、同社が持つ約5680件の燃料電池車の関連特許すべてを無償で公開すると発表した。「究極のエコカー」と呼ばれる燃料電池車を定着させるためにはトヨタ1社の努力では不十分と判断し、早期に普及させるため企業や業界の垣根を越えた開発競争を促す。~
 
専門家による詳細な解説が幾つも出回っていると思うが、一般向けの記事では、概ね好意的ないし称賛する傾向があるだろう(朝日新聞 本日朝刊1面のコラムなど)。
 
上掲日経記事で“燃料電池車を定着させるためにはトヨタ1社の努力では不十分と判断し、早期に普及させるため”とあるのが、トヨタは自社の利益よりも社会的使命を重んじて英断を下した印象を与える。
 
そのような宣伝効果を狙ったこともあるに違いない。しかし、利潤最大化を最高の価値基準とする営利企業であるからには、究極の意図は利潤追求だから、いわゆる“損して儲けよ”の戦術であると考えてよいだろう。
 
自社技術を業界全体に広く普及させることによる規模の利益、競合技術で対抗する他社を不利に追い込む、などの計算があるのではないか。逆に不利益に働く要素が考えられない訳ではないが、恐らく緻密なシミュレーションを経たうえでの結論だろう。
 
この件で思い出すのが、多分20年ほども前、自動車メーカーが売り出した省エネ(ハイブリッド?)カーのことだ。動力源として電池を併用するタイプだったかと記憶する。新しいタイプだから、当然に高価だったこの車を売りさばくため、官公庁が率先して導入するよう、予算措置を誘導した。その時、当のメーカー自体は新しい省エネ車をどれほど自社用に使っているのだろうかと気になった。
 
今回も、メーカーで燃料電池車を自社用車に採用する計画がどうなっているか、知りたくなった。ウィキペディアによれば、トヨタの従業員は、単体で6万余、グループで33万余だそうだ。単純に考えれば、“燃料電池車を定着させるためにはトヨタ1社の努力”だけでも、それだけの台数を稼ぐ事が出来る。
 
車を持たない(持てない)貧乏人の僻みが滲み出ているような気がしないでもない。
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